第3話 誑かす者
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生徒が来て、士郎の真横の席に座った。
「おはよう!京極に衛宮!!2人とも何話してるんだい?」
「いや、大した事じゃないんだがな――――」
士郎達に話しかけてきた男子生徒の名は、相沢和良と言う士郎同様にそこそこイケメンで士郎には及ばないモノの中々のスペックに善良な性格の持ち主だ。
3−Sが誇る3大イケメンズが勢ぞろいした事で腐女子達だけでなく、普通の女子生徒達も教室の内外問わずに騒ぎ出した。
しかしある女子たちだけが、寧ろ相沢和良に冷え切った視線を送っている。
中には、血が出るなんてお構いなしな位に唇を噛んでいる者まで居る始末だった。
−Interlude−
午前の授業を終えてからの昼休み。
昼食を持参していない者たちは食堂へ行くのだが、1年〜3年のS組は基本的に持参が多い。
勿論士郎も持参で、何時もの様に食べようとする所である事に気付いた。
「あれ?相沢は?」
「む、確かにいない様だがそれが如何かしたか?」
「あの後一緒に昼食でも食べようと誘ってきたんだけど・・・まぁ急用でも出来たんだろ――――」
「シロ兄!」
そこへ、廊下から小雪が士郎目掛けて飛び込んできた。
「アレ、ユキ。如何した?」
「シロ兄と一緒に食べようと思って!」
「2人と別行動か?」
「準はそこ!」
小雪が指さしたのはどの教室にもあり、放送が流れるスピーカーだ。
そのスピーカーからメロディーと共に準の声が聞こえ出した。
『ハァイ、エブリバァディ!春と言えば恋だよね――――』
「井上は放送委員だったか」
「じゃあ、冬馬は?」
「何か法廷があるとか、よく解らないこと言ってたよ」
「陪審員でも選ばれて早退したのか?」
「さぁ?」
兎に角、今小雪は1人で行動していた事だけは理解出来た。
「なら一緒に食うか?」
「そのつもりなんだけど、ボク早弁したから無いんだ!」
「それで衛宮に集りに来たと?」
「うん!」
皮肉で言ったつもりではないが、こうまで笑顔で返されると流石の京極も苦笑したくなった。
だが士郎はもう1つの弁当を取り出した。
「こんな事もあろうかと、毎日予備の弁当は作ってる」
「初めて聞いたよそんな事!?それって無駄になるんじゃない?」
「別に今迄無駄になった事は無いぞ?クラスの誰かがいつも食べるからな」
言葉通り、毎日士郎の予備の弁当を賭けて、クラスの半分以上の生徒達がジャンケンによる熾烈な争いを繰り広げていた。
何せ士郎の手料理の味のレベルは世界トップクラスだ。幾らいい所の家出身が集まるクラスと言えど、毎日最高級の料理を味わえるワケないので飛びつきたくもなるのだ。
とは言え
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