暁 〜小説投稿サイト〜
Deathberry and Deathgame
Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 6. Die Hard’s Daily Life
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い方は卍解のスピードを活かした連撃、と言えば聞こえはいいけど、悪く言っちまえば、ただ能力に頼って闇雲に刀を振り回してるだけ。だから、移動スピード全開で飛び回るんじゃなくて、攻撃に緩急をつけることで敵のスキを誘い、そこで一気に速力を上げて斬り伏せる練習をする。
 斬月のないこの世界で、そういう「狙い澄ました一撃で仕留める」剣術スタイルを俺は磨いていくことにした。

 そう決めたとなると、選ぶスキルも当然変わってくる。
 俺は盾を持たない以上『武器防御』スキルが必須になるし、生命力で劣るリーナは『軽業』という回避性能と武器の取り回し性能の向上効果のあるスキルで、敵の攻撃を避けやすくする必要がある。機動力を活かすには移動速度向上の『疾走』スキルが要るし、安全マージンが無い中で戦うなら自動回復効果をもたらす『戦闘時回復』スキルも欠かせない。この両スキルに関しては二人とも取っとくことになった。
 加えて、移動中はリーナが周囲の警戒に当たるために『索敵』や『暗視』といったサポートスキルが必要になり、対して俺はいつでも前線に出られるよう、HP回復やバッドステータス消去の速度が上昇する『瞑想』や、エンカウントした際に敵のヘイトを集める『挑発』の習得が義務になった。

 さらに、第二層で偶然習得した『体術』スキル(クエストでカスアイテムしか出ず、八つ当たりで俺が殴ったその辺の大岩が習得クエストの破壊対象だったため、その存在が偶然発覚。スキル習得のために、と言うよりもNPCに付けられたウザいヒゲのペイントを消すために、丸三日かけて岩を殴り壊したイヤな思い出がある)や『軽金属装備』スキル(一応ガントレットや篭手は必要ということで習得。新しい卍解のコートにも装甲が付いてたしな)が加わり、俺たちの装備スキルの内容は確定していった。

 その次に決めたのは、どうやってレベルを上げていくか、ということ。
 闇雲にフィールドを駆けまわっても効率は良くない。いかにして経験値の高い敵を多く倒すか、それが重要だった。だが、『そこまで強くないのに経験値がいい』、いわば穴場と呼ばれるスポットは、いずれ多くのポレイヤーによって狩り尽くされ、枯渇してしまう。
 それを避けるには、あの夜リーナが言っていたように、安全マージンを無視するのが一番手っ取り早い方法だった。常に最前線に籠り、同レベル帯、可能ならばそれ以上の敵が湧く地点を狩りの拠点にする。そうすることで、他のプレイヤーと狩場が重複する確率を減らしつつ高い経験値を持った敵と交戦でき、安全マージンを取った場合や混み合う人気の狩場を取り合った場合よりも高い効率で経験値を得ることができた。
 さらに、やたらに強い敵が出ると分かっている区画や、逃げ場の無いなかで大量のモンスターが湧き出てくる部屋、みたいなプレイヤー殺しのためのゾーンな
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