暁 〜小説投稿サイト〜
Deathberry and Deathgame
Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 6. Die Hard’s Daily Life
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結びつけんだオメーは」
「むしろそれ以外になんの話をしろと? もう三時間もなにも食べてないからお腹減ったの」
「……燃費すぎだろ、マジで」
「そういえば、今日中央広場に新しいスイーツの出店がオープンするって情報があった。一護、帰ったら奢って」
「やなこった。オメー絶対際限なく食うだろ。俺の破産が確定するじゃねえか」

 無駄口を叩きながらも、俺たちの視線はまだ半数以上残っている敵に向いている。これだけ同胞を殺されても連中の動きは相変わらず鈍いまま、いや、むしろ遅くなっているようにすら見える。

「神官モンスターは火力が高い反面臆病で、味方を虐殺されるとビビッて近寄ってこなくなる。経験値稼ぎにはもってこい」
「ムチャクチャしてくる人形系(ゴーレムタイプ)とか、我先に突貫してくる戦士(ウォーリア)モンスターとは雲泥の差だな」

 四肢が飛ぼうが首が落ちようがあらゆる方法で攻撃してくるマネキンに似た人形モンスターや、連携関係なしに殺到してきた武装ヒゲ面軍団を思い出し、俺は少しげんなりする。
 特に戦士モンスターだけが詰まったモンスターハウスに入ったときは、流石に二人して「死ぬかも」と本気で考えてしまうくらいにHPを削られた。苦労した割にはアイテムはショボかったし経験値も大して高くなかった。出来ればもう遭遇したくねえ連中だ。

 思い出したイヤなことを頭を振って追い出し、曲刀を正眼に構える。視界の隅に表示された時間は、もう夕方の5時になっている。一昨日の朝からずっと潜りっぱなしで、流石に精神的に疲れた。これを片付けてとっとと帰りたい。流石にインスタント以外のメシが食べたくなってきたしな。

「同感、特にスイーツを所望する」
「……まだなんも言ってねえよ」
「インスタント以外のご飯が食べたいって思ったんでしょ」
「エスパーかよ」

 パートナーを組んでから二か月弱経つが、コイツの勘が日に日に人外じみてきてることに、ちょっと恐怖を覚える。今何かレア食材でも拾ったら間違いなく見抜かれそうだ。気を付けよう。

「とにかく、コレ片付けたら街に帰ろうぜ。金もガッツリ貯まったことだし、久々にいいメシ食ってもバチは当たんねえだろ」
「超賛成」

 大きく頷いた相棒と一度目を合わせ、俺は再び連中のど真ん中目掛けて駆けだした。



 ◆



 記念すべき第一層攻略の日の翌日。

 正式にパーティーを組んだ俺たちが一番最初にやったこと、それは狩りではなく、ステータスビルド及びスキル取得の方向性についての長い長い話し合いだった。今までネットゲームにかなりの時間を費やしてきたというリーナの主導で、俺たちの間で色んなことが決まっていった。

 まず、役割分担について。
 二人しかいないため、そんなに複雑なこと
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