Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 6. Die Hard’s Daily Life
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地面に叩きつけるように振り下ろす曲刀用突進技《タイガークロウ》だ。突進距離が短い代わりに初速が速く、クリティカルも出やすいため俺の一撃目の定番スキルでもある。
横から飛んできた別の神官の刃を首を逸らして避けた俺は、眼前で死にかけている神官の襟首をひっ掴み、こっちに押し寄せようとしていた群れの方へ放り投げた。
投げられた神官は、そのまま空中でHPが尽きて爆散。それに驚いたらしい連中の突撃の気配が消えた。それを視界の隅で確認しつつ、投げの反動を利用してさらに別の神官に斬りかかる。
やや大ぶりな軌跡で繰り出された斬り下ろしを力任せに弾き、俺はそのまま曲刀を脇構えに持っていく。相手の第二撃が振るわれた瞬間、俺の水平斬りがカウンター気味に繰り出され、神官の腕を斬り飛ばした。
が、俺の攻撃はまだ終わらない。振りきった刀身が高速で跳ね上がり、体勢を崩した神官を?を描くようにして斬り殺した。
相手の攻撃モーション発動プラスマイナス1秒の間に初撃を当てることで、追加の二連撃を繰り出せる三連続技《エクステンドエッジ》。俺が持っている唯一のカウンター技は、残り七割だった敵のHPを余裕で削りきっていた。
「リーナ! 五秒後きっかりにスイッチ、いけるか!?」
「当然」
ソードスキルを使わずに次の敵と斬り結んだ俺が叫ぶと、向こうの方から冷静な声が返ってきた。あっちも上手くこなしているようで何よりだ。袈裟に振るわれた蛮刀を躱しつつ、俺はスイッチのタイミングをカウントする。
「……二、一、今だ! スイッチ!!」
その瞬間、俺はその場から大きく後退、狼神官から距離を取った。半秒遅れで追撃しようと足を踏み出した神官だったが、
「スイッチ」
遠くから弾丸のような速度の突撃拳打《ブレット》で突っ込んできたリーナによって、一気に壁に激突、そのまま砕け散った。危なげなく着地したリーナのスキを狙って、背後から二体の狼神官が斬りかかろうとする。
「遅えって、言ってんだろ!!」
俺は跳躍して単発刺突技≪エル・ファング≫を発動、一体の顔面をブチ抜いてHPを半減させつつその場から引き剥がした。そのまま夜一さんの見よう見まねで空中廻し蹴りを放ち、二体目の奴の蛮刀の軌跡を逸らす。
その直後、リーナの短剣による逆手三段突き《クイックビンゴ》が全ヒット。そのままあっさり撃沈させた。体勢を立て直して向かってきたもう一体は、俺の横蹴り《水月》で腹部を貫かれて、断末魔を上げる間もなく死んでいった。
「なんだよ、ズラズラ出て来ておいて、歯ごたえのねえ連中だ」
「そんなことはない。狼の肉は一般的に繊維質で噛みごたえがある。食べればわかるはず」
「食ったときの話はしてねえよハラペコ女。なんでいちいちメシに
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