第4話 デュシスの森
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む。
「本当に…本当に君はルインなのかい!?本当に…」
受け止めたものの、未だに信じられないと言いたげな表情を浮かべているエックス。
「私だよお、一体何がどうなってるのかさっぱりだよ!目を覚ませば世界は荒廃してるし、エックスは行方不明だし、ゼロは記憶喪失になってるし…もう何が何だか分からないよ……」
「本当に……ルインなんだね。生きていてくれた…良かった…本当に良かった…っ!」
感極まったのか、エックスが彼女の華奢な体を強く抱き締めた。
二百年ぶりの彼女の温もりを、それを感じることの出来る幸福をエックスは噛み締めた。
しばらくして互いにハッとなって離れた。
「あ…ご、ごめん……」
「え?あ、あわわ…こっちこそごめんね…エックスに会えて嬉しかったからつい…」
少し時間が経過して顔の熱が引くと、ルインは再び今のエックスを見た。
「それにしても、エックス…その姿は…」
「この姿のことかい?僕のボディは事情があって動かせないから、サイバーエルフとなって行動しているんだ」
「サイバーエルフって…大丈夫なの?無理してない?」
サイバーエルフとなっていることにルインは心配するが、エックスの次の言葉で吹っ飛んでしまうことになる。
「大丈夫だよ…僕にはまだまだやらなければならないこともあるし…それに君にまた会えた…。出来ることなら、望む未来を君と一緒に生きたいんだ」
「へ?どういうこと?」
「君と一緒に生きる未来…ケイン博士の研究所が無くなった時、もう二度と叶わないと思っていたんだ…一体…何処にいたんだい?」
「え…あ、ケイン博士の地下研究所…」
「そう…あの時、コロニーが落下した時、諦めたりしないで、根気よく探していれば…君を一人にしなくて済んだのに…ごめん…」
申し訳なさそうに謝罪するエックスに対してルインは笑みを浮かべた。
「いいよ。別に…だって、またエックスに会えたから!!」
「ありがとう…それにしても、ベビーエルフが二人共目覚めてしまった…ベビーエルフはまだ子供だ。二人は心細さにうちふるえながら…母を求めて泣いている…」
「ベビーエルフ…シエルの研究室にいたエルフとさっきのレジスタンスが持って行ったエルフのこと?」
あのサイバーエルフに何か問題でもあるのかとエックスに尋ねると、エックスは深刻そうな表情で言葉を続ける。
「そう…ベビーエルフ達は母に会うためなら、何でもする。人の心を揺さぶり、運命を狂わせる…母である、ダークエルフに…僕が封印しているダークエルフに会いたいがために…ね」
「あのエルフ…危険な物なの…?なら、破壊…は、現時点では無理だよね…シエルが新しいエネルギーの開発に必要だって言ってたし…頃合いを見
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