暁 〜小説投稿サイト〜
Deathberry and Deathgame
Chapter 1. 『ゲームの中に入ってみたいと思ったことは?』
Episode 4. Crime and Punishment
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いると仮定すると、プレイヤーのうち十人弱に一人がベータ経験者って計算になる」
「十パーセント強ってとこか、多いんだか少ないんだか……」
「……ねえ」

 俺がキリトと話していると、横から女の声が聞こえた。一瞬リーナかと思ったが、当の本人は俺の横でステータス欄か何かを無言で弄くっているから、違うようだ。
 声のした方を見ると、声の主はF隊の女剣士だった。遊子より少し暗いくらいの長いブラウンの髪に、色の白い顔をしている。腰にはレイピア、細剣を装備していた。

「あなた、本当に未経験者?」
「ああ、そうだ」
「嘘。未経験なのに、始めて一月であんな突きが片手剣で出来るとは思えない。高速で動く相手の武器に刺突を当てるなんて、突き技が主体の細剣でも相当難しいはずのに」
「やろうとしないだけじゃねえの? 見切りと剣のコントロールを覚えりゃアンタだって――」
「アスナよ」
「アスナだって出来んだろ。俺だって、今回で二回目だぜ?」
「どういう戦い方してるのよ、あなた……」

 呆れた、とでも言いたげな表情を浮かべるアスナ。初対面なのにずいぶんな言われようだな、リーナといいコイツといい、このゲームの女プレイヤーは遠慮ってものをしないな。

「おーい、そこの四人! 置いてくぞー!!」

 エギルの呼び声に、俺達はそろって部屋の中央へと向いた。いつの間にか本隊の皆は撤収の用意を整え、奥の第二層へと続く扉へと向かっていた。

「だとさ。リーナも、ステータス弄ってねえで、とっとと行くぜ」
「お腹減った」
「昨日トレードしたベーコンでも食ってろ」
「もう無い。お腹減った」
「……この大食い女が……」

 仕方なく非常食として備蓄してたバケットサンドを放り投げてやりつつ、俺達は揃って本隊へと歩いていった。
 
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