Chapter 1. 『ゲームの中に入ってみたいと思ったことは?』
Episode 4. Crime and Punishment
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「いいか、オメーは確かにやっちゃいけないことをした。けど、被害は出なかった。未遂ってヤツだ。
こーゆーとき、どうするべきかなんて、分かりきってんだろ!」
そう言って、俺はディアベルをみんなの前に突き出した。よろめきつつも何とか自分の足で立ったディアベルの頭を掴んで、
「セコくてすいませんでしたっ!!」
「ぐおっ!?」
思いっきり下げさせた。
周りが唖然とする中、ディアベルが頭を上げようとするのがオレの手に伝わってきた。放してやると、ディアベルはゆっくりと頭を上げ、皆を見渡してから、もう一度、今度は自分の意思で頭を下げた。
「……皆、済まなかった。オレは皆の努力を踏み台にするようなことをしようとした、本当に申し訳ない。
土下座しろと言うならする、身ぐるみを置いていけと言うなら甘んじて従おう。もちろん、金の分配からもオレは外してくれ。
だが、一つだけ、身勝手な頼みがある。
今回のことでベータテスター全員のことを見下げないでほしい。ベータ上がりだからって、自分本意な奴とは限らないんだ。こんなオレが言っても説得力はないだろうが、それでも言いたい。
スタートガイドを書いてくれたプレイヤーや、はじまりの街で基本スキルのレクチャーのボランティアをしていた団体は、オレとは比べ物にならないくらい、ビギナーのことを考えている。一人でも多くのブレイヤーが死なずにすむよう、少しでも序盤の手助けになるように、と考えているんだ。
どうか、彼らのような人たちもいることを忘れないで欲しい……」
そう言ってディアベルはもう一度、頭を深々と下げた。
周りの連中はなにも言わずに黙って聞いていたが、やがて、一人のプレイヤーが前に出てきた。
意外にも、ソイツは、
「……頭上げてくれや、ディアベルはん」
あのトゲ頭こと、キバオウだった。
「ワイはベータテスター共が嫌いや、そんで、その典型例みたいなことしはったアンタも……正直、まだ許せん。
せやけどな、少なくともアンタは、ワイらを見捨てへんかった。ワイらを率いて、ボスに勝たしてくれた。まあ、最後にケリつけたんがあのオレンジ頭なんは気に入らんけど。
はじまりの街でスキル教室やってくれてたあんちゃんたちには、ワイも世話になった。スタートガイドも、ちょいと違ってたけども、役に立った。そして、ワイらがこうして集まって戦えたんは、アンタのお陰や。こんだけ世話になったんや、ベータテスターってなだけで、十把一絡げにすんのは、もう止めるわ」
色々礼を言わなあかん奴がおるけど、まずはアンタからや。そう言って、キバオウはディアベルの両肩に手を置いた。
「……おおきにな、ディアベルはん。第一層ボス攻略、お疲れさんでした」
ディアベルの見開かれ
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