暁 〜小説投稿サイト〜
オワリノコトノハ
入学編
1章
第一話「底辺になりました」
[1/2]

前書き [1] 最後 [2]次話
「葉桐ィ...入学初日から遅刻とはいい度胸してんなぁ...お前」
「す、すいません...」
ここは天楼学園の職員室。
そして今目の前でオフィスチェアに腰掛けながら説教をしているのは俺の担任である坂城京子だ。
第一印象は美人。
美人だからこそ、この荒っぽい話し方が残念だと思える。
「....聞いているのか?」
「え、あ、すいません...」
「さっきから人の顔をジロジロと...お前、自分の立場分かっているのか?人が説教をしてる時に考え事とは本当にいい度胸をしてるな...まあ、いい。ところで何故遅刻した?」
「登校途中の道で重い荷物を持ったおばあさんがいまして...運ぶのを手伝っていたら遅刻してしまいまして...」
嘘ではない。生来困っている人を見ると助けたくなってしまう性格なのだ。
しかし、そのせいで適性検査をすっぽかしてしまった。
「そうか、それはご苦労なことだ。しかし、遅刻したことは事実。しかも入学式にだ。」
「そうですね...自分の責任です。」
「素直でよろしい。だが、貴様の処分はすでに学園長が決定なさっている。」
「は、はあ...」
「お前はこの1年間、実力関係なくランクDになった。これは学園長の決定であるため抗議は許可しない。いいな?」
「はい。すいませんでした。」
「以上だ。教室に戻れ。」
「失礼しました。」
俺は職員室をあとにした。

「はあ...ランクDか...これはキツイな...」
天楼学園の他にもエクソシスト志願者達に教育や訓練を施す機関は世界中にあるのだが、その機関にはランク制度というものがある。このランク制度は生徒達の意欲向上などを目的とし主に戦闘から見出される実力でSからDに認定されるのだが...俺はその中のDランク。つまり底辺になってしまったのだ。
「2年生でどうにかランクを上げなくちゃならないな。」
重い気持ちで教室のドアを開ける。
すると情報がもう行き渡っているのか、他の生徒達の注目が俺に集まった。
少し恥ずかしい気持ちになりながら席につくと、左隣の席の男子に声をかけられた。
「よう、隣の席の雨宮 和樹だ。朝は大変だったな。」
「まったくだ...おかげでランクDになるわ、悪い意味で名前は広がるわ...雨宮はランクは?」
「Bだよ。てか、雨宮なんて堅苦しく苗字で呼ぶなよー。和樹でいいぜ。」
とてもフレンドリーでいい奴っぽい。ツンツン頭で男気あるれる男子だ。
「ごめん、和樹...でいいんだな?」
「ああ、よろしくな玲!」
やっぱり名前はもう知られてるようだ。
当然だろう。何せ大事なランク分けの適性検査をすっぽかしたんだから。
「先が思いやられるな...」
「あ、あのぉ...」
不意に右から女子の声がする。
「え?」
「あの...私、万葉里といいます。万葉里
前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ