Chapter 1. 『ゲームの中に入ってみたいと思ったことは?』
Episode 2. Spider, Spinner, Sniper
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つは最上段から一足飛びで下に降りると、なにやら演説を始めやがった。
ざっと要約すると、「ベータテスト経験者は死んでった奴を含めたビギナーを見捨てて、自分らだけのことしか考えてないクソ野郎共だ。こん中にもいるはずだから、出てきて土下座して身ぐるみ全部置いてけ」ってことらしい。
……アホか。
このキツイ状況下で「みんな平等に」とか、できるわけねえだろ。命がかかってる状況なんだ、強くなりてえ奴は持ってるモン全部活かして頑張るに決まってんじゃねえか。それをズルいから詫び入れて持ち物吐き出せとか、
「……図体も器も小っこいヤツだな、コイツ」
「……ぁあん? なんか言いよったか、あんちゃん?」
……あ、ヤベえ、声に出てた。
でもまあ、思ったのも事実だし、隠すこともねえか。そう思って、俺は立ち上がった。
「ああ言ったぜ。随分と身体も器も小せえ男だな、ってよ。何か間違ったこと言ってっか?」
「……なんや、一丁前にワイに喧嘩売っとんのか? このタンポポ頭のチンピラが」
「喧嘩売ってんのはオメーの方だろうが。人前に出てきて身勝手なことドヤ顔で喋りやがって、ウルセーんだよ、このトゲピーヘッド。一丁前に日本語喋ってねえで、大人しく『チョッギプリイイイイイイイイイ!』って鳴いてろよ」
「なンッ…………!!」
怒りで顔が真っ赤になったトゲピー頭に、俺はさらに畳みかける。
「ベータテストの経験ってのがどんだけ有利なのか知らねーけどよ、自分で頑張って手に入れた知識を自分のために活かして、一体何がわりーんだ? 幼稚園じゃねえんだ。みんなでお手々繋いではいゴールってわけにはいかねえだろ。強くなれる奴が強くなって、俺等はそれを手本に追い越しに行きゃいいだけの話だろうが。
……確かに死んじまった奴もいた。でも、早い時期にちゃんと生きてここまで来れてるビギナーも山ほどいる。死んだ奴を悪く言うつもりはねーが、つまりその死は、事前の準備とか情報で何とかできるモンだった、ってことじゃねえのか? 一概には言い切れないかもしれねえけど、でも逆に、二千人全員の死がベータテスターのせいだった、ってことも絶対にない。二千の命の死を経験者に押し付けて、挙句に追いはぎのマネなんかしてんじゃねえよ。
それともなにか? テメーは自力じゃ強くなれねえから、経験者サマに恵んでもらおうとでも思ってんのか? だとしたら、とんだカス野郎だな」
「言わせておきゃあ……調子に乗んなやクソガキ! ええ加減にしとかんと、そのハデな頭カチ割るで!!」
「おー上等じゃねえか! その小せえ身体、俺がこの手で叩き潰してやる!!」
トゲ頭が背中の剣の柄に手を掛けたのを見て、俺も腰に手をやって、いつでも抜剣できるように構える。確か、街中なら互いにダメージは受けない設定になっ
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