Chapter 1. 『ゲームの中に入ってみたいと思ったことは?』
Episode 2. Spider, Spinner, Sniper
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がそこかしこにいた。
中には「城の外で死ねばシステムから切り離される」みてえな自論を叫んで、そのまま第一層の外へと身を投げた奴もいた。この世界は空に浮く巨大な鉄の城の形をしているらしいが、その世界から飛び降りて青々とした何もない空間に絶叫と共に落ちていくアイツを見ても、ヤケになって死んでったようにしか見えなかった。
一応、俺は一日だけ、『はじまりの街』で待ってみた。あの茅場とかいうヤツが言うには、すでにこの事件は現実でも大々的に報道されてるらしい。もしかしたら、外部で事態がさっさと収束するかもしれない、そう思って、俺は集住区の宿で、一日だけ待った。
でも、やっぱり、何もなかった。アナウンス一つすら、聞こえてこなかった。
だとしたら、俺のやることは単純だ。レベルを上げて、強くなって、ボスを片っ端からぶった斬る。そんで、あのいけ好かない茅場とかいう赤ローブを、思いっきりブン殴ってやる。受験勉強の大事な時間を返せという思いもなくはないが、そっちは自業自得な気もするので大して大きくない。許せないのは、こっちの意志を一切無視して、一方的に命の危険がある世界に山ほどの人を放り込んだことだ。なんて無責任で卑怯な真似をしやがる。そんな怒りで俺の頭は満ち満ちていた。
行動はすぐに起こした。
ヘルプを読んでマニュアルを流し読みした俺は、メガフレンジーボアのドロップアイテムの売り金を元手に装備を揃え、『はじまりの街』を抜け出した。やっぱりあのデカイノシシの強さは異常だったらしく、特に苦戦することなく次の街に着いた。その後も、行き当たりばったりだが、とにかく前に進み続けた。街の掲示板で強化に必要そうだと思ったクエストなんかは片っ端から受けていった。
まだ序盤だからか、多少レベルが上でもHPはそんなに高くなく、数が多くても斬撃と体捌きだけで普通にあしらえるものばかりだった。ただ、偶にデカイノシシ並の奴に遭遇して、ソイツ等に苦労させられる度に、もっとレベルを上げなきゃダメだと思い改めて、毎日ひたすら戦い続けた。
そうやってる内に徐々に他の連中も動き出してきて、はじまりの街に残った奴と、前線に出てきた奴に二分化した。情報もたくさん流れて、ボスのいる迷宮の攻略も進んでった。
そして、そろそろ最前線にいるプレイヤーが決まってきた今日この日、ついに、第一層ボス攻略会議が開かれることになった。
◆
「……あー、まだイラつく……」
何やら騒がしい会場に五分遅刻で到着した俺は、一人だけ景気の悪い面して一番下の段の端に腰掛けた。
別にさっきまでのクエストで問題があったわけじゃない。報酬はキッチリ出たし、あのクエストボスに手こずったわけでもない。つうか、ぶっちゃけ弱かった。
あのクモ女、あんなド派手
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