第一部
第二章 〜幽州戦記〜
七 〜酒宴〜
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勝手が違っていてな。やはり、ここまでの規模となると正直、心許ないのだ」
私は、嘘偽りを言っているつもりはない。
新撰組は少数精鋭であったし、蝦夷共和国軍はそれなりの数が合ったとは言え、所詮は寄せ集め。
それに、私に全権があった訳ではなく、上位指揮官は大鳥殿であった。
仮に、私の手法に誤りがあっても、今の麾下ではそれを正せる者がいない、それが現実だ。
「けど、ウチかて騎兵の扱いやったら自信持てるけど、歩兵は専門外やで?」
「だが、少なくともこの大陸で、正規の軍を動かしている。その経験を、貸して欲しいのだ」
「せやなぁ……」
張遼は、頭をかいて、
「ウチだけで即答は無理や。一度、月達に相談してからでええか?」
「勿論だ。それは持ち帰って貰うとして、来て貰った用件だが」
「ああ、せや。アンタんとこの兵を、見せて貰おうって事やったな」
「稟、星、鈴々。案内と、現状説明を頼む」
「御意です」
「はっ!」
「わかったのだ!」
三人が出て行った後で、
「風。廖化は、誰かの下につけて副将として考えているのだが、どう思う?」
「悪くないと思いますよー。そのまま、黄巾党から選抜した兵をつければ、つけられた方も従いやすいでしょうから」
「うむ。それで愛紗、お前の下に廖化をつける」
「わ、私ですか?」
「そうだ。お前なら、きっと使いこなせる筈だ。やれるな?」
愛紗は、ジッと私を見て、
「畏まりました。ご主人様の期待に添うよう、努力します」
きっぱりと、言い切った。
「おやおやー? 愛紗ちゃん、廖化さんの事、避けてませんでしたっけ?」
「そうだったかな? だが、ご主人様の指示とあれば、それに従うまでだ。それが、臣下たるものの務め」
「そういう事でしたかー」
と、風は口に手を当ててニヤリ、と笑う。
「何が言いたい、風?」
「いえいえー。愛紗ちゃんも、女になるとこうも変わるのかなー、と」
「な、何をそのような!」
真っ赤になって反論しているが、あれでは白状しているようなものだ。
尤も、風相手では分が悪すぎるとも言えるが。
「今朝からどうも、愛紗ちゃんの様子がおかしいと思ったんですが。お兄さんの手にかかってしまった訳ですね」
「風、人聞きの悪い事を言うな。私は、そのような気持ちで愛紗を抱いたのではない」
「ご、ご主人様!」
「何を慌てている? それとも、愛紗は何か悔いているのか?」
「い、いえっ! 決してそのような」
「おうおう。兄ちゃん、やっぱり女泣かせか、やるじゃねえか」
風の頭上の人形が、喋った?
……いや、腹話術か。
「泣かせるつもりなどない。それははっきりと言っておく」
「ご主人様……」
惚けたよう
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