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邪教の僧達が幻想入り
倒れていた女性
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そっちのけに、星は見惚れでもしたのかグングン顔を近づける。いつしか目と鼻の先まで距離は縮まっていた。

その時。

「ん・・む・・・」

「・・・あ、気がつきました?」

女性がゆっくりと目を開き、星は多少戸惑いながらも微笑んで声をかける。

「ふむぅ・・・はっ!」

女性は暫し不機嫌そうに目を擦っていたが、突然目を見開いて跳ね起きる。星の顔が目の前なのも構わず。

「あうっ!」

「ぐはぁっ!」

当然額を互いにスマッシュヒット。星は顔を覆って畳に倒れ込み、女性は額を押さえながら頭を枕に逆戻りさせる。

「「いたたたた・・・」」

「何してんだ一体・・・」

ナズーリンはゆったり立ち上がると、うずくまる星を尻目に女性の横に仁王立ちになる。女性が涙を浮かべながらポカンとした顔で振り向くと、ナズーリンは見下ろしたままで不躾に尋ねる。

「起き抜けで失礼。君は誰だい?見たことない顔だが。」

女性はナズーリンの不遜な口調に一瞬眉をしかめたが、すぐに口を開く。

「儂は仁寛こと、蓮念(れんねん)じゃ。」

若々しい顔に似合わず年寄り臭い口調と声色で答える蓮念。それを気にも留めずにナズーリンは質問を続ける。

「何であんな森の中に倒れていた?何があったんだい?」

ナズーリンの遠慮のなさに星は二人の間に視線を泳がせて肩を小さくしている。蓮念もムッとしたのか少しばかり頬を膨らませた、が。

「・・・?」

なにやら一瞬ハッとした表情を浮かべ、布団に目を落とし、額に指を当てながら考え込む。

「・・・・・・」

その無言の状態で十数秒。流石に痺れを切らした星が横から口を挟む。

「あの、どうかしましたか?」

その瞬間、蓮念はグルリと無言で振り向いた。その顔は怪訝な表情のままピクリとも動かず、星はひゃ、と小さく声をあげて蓮念と見つめ合う格好になる。

「・・・分からん・・・」

「へ?」

蓮念のポツリと呟いた言葉に、星は間の抜けた声を出す。ナズーリンがピクリと眉をあげる横で、蓮念はユラユラと天井の方向に宙を追っている。

「覚えていないのだ・・・何も、思い出せん・・・!」

「ええ!?」

星が弱った声をあげる。ナズーリンは眉をしかめて頭をひとしきり掻き、独り言のように呟いた。

「記憶喪失、か・・・」

部屋が沈黙に包まれる。自身の事を名前以外知らぬ蓮念は元より、星やナズーリンもどうしたらいいのか考えあぐねていたのだ。その時。

「ああーっ!」

突如星がバネのように飛び上がって声をあげた。二人の目が一斉に星に集まる。

「ど、どうしたご主人。」

さしものナズーリンも戸惑った様子で星を見つめる。星はパタパタと要領を得ない身
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