第1話 賢将との邂逅
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なんだから優しく扱って欲しいと思いながらも、ルインもハルピュイアの好意に甘えることにし、アステファルコンの背に乗ろうとした時、ハルピュイアが手を差し伸べてきた。
あまりにも自然過ぎた動作に目を見開きながらその手を掴んでアステファルコンの背に乗り込んだ。
「レジスタンスベースの近くまで送る。近くまで来れば半死人がいても大丈夫だろう」
「あ、ありがとう。君……顔もエックスに似てるけど性格もエックスみたいに優しいんだね。でもどうして助けてくれたの?」
目の前のハルピュイアは一見気難しそうに見えるが、助けてくれた辺り優しいのかもしれない。
どことなくエックスに似ていることもあってルインはハルピュイアへの警戒を解いていたが、何故助けてくれたのか分からず、ハルピュイアに理由を尋ねた。
「分からん」
それは助けた自分にも分からないのだ。
不本意ではあるが、自分とアステファルコンの二人掛かりで挑めば、半死人のゼロを庇わなければならないルインごとゼロを倒せたはずだ。
なのにそれが出来なかったことにハルピュイアも自分の感情に疑問を抱いていたが、ルインはアステファルコンの背から、今の世界の風景を見据えた。
「二百年前とは随分変わっちゃった……何でここまで世界が荒廃しちゃったんだろう……草木も水も何もない…」
「二百年前……エックス様がイレギュラー大戦で戦っていた時に発生したスペースコロニー・ユーラシア事件でコロニーが地球に落下したためだ。エックス様から聞いた話では当時は今より酷い状態だったと聞いている。並みのレプリロイドでは満足な行動すら出来んほどのな…」
「エックス様…?どうして君はエックスを様付けしてるの?」
「ゼロから聞いていないのか?エックス様は荒廃した地上にネオ・アルカディアと言う理想郷を築き上げたネオ・アルカディアの統治者であり、俺の主君だ」
「エックスが統治者……?」
信じられないと言いたげに目を見開くルインだが、ある疑問が浮かぶ。
「ネオ・アルカディアにいたエックスはコピーだったって聞いているんだけど…本物の、オリジナルのエックスは…どこにいるの?」
「そこまで話してやる義理はない。そもそも、お前はゼロの仲間であり、俺達の敵だ。」
「ああ…そうだね…………エックス………会いたいよ……」
ハルピュイアにも聞こえないくらい小さく呟いたルイン。
気を抜けば寂しさで涙が出て来そうだった。
しばらくして、レジスタンスベースと呼ばれる基地付近に降ろして貰ったルインはゼロを抱えながらハルピュイアに向き直る。
「えっと……ハルピュイアだったよね?助けてくれてありがとう」
「………」
助けてくれたハルピュイアにルインは礼を言うが、ハルピュイ
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