第1話 賢将との邂逅
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「まずい…早くゼロを修理しないと…一旦、ケイン博士の研究所跡に…でも、あそこはもう…」
時間が経つごとに砂嵐が酷くなっていき、せめてどこか岩陰はないだろうかと辺りを見回した時、風が砂嵐を吹き飛ばした。
「誰…?」
隼を思わせるレプリロイドがルインとゼロの前に舞い降りる。
一瞬敵かと思ったが、隼型レプリロイドの背に乗ったレプリロイドの顔を見て、ルインは思わず驚愕して凝視してしまう。
「エックス…?いや、違う…?」
姿はHXアーマーを纏っている時のルインに似ているが、ルインのアーマーよりも明るい緑色のアーマーを纏った青年。
しかし青年の顔立ちがあまりにもエックスに似すぎていた。
「ハルピュイア様、ゼロを発見しました。」
「ああ…だが、貴様は何者だ?」
部下であるアステファルコンから降りると、ゼロに酷似したアーマーの少女を油断なく見据えるハルピュイア。
しかしハルピュイアは同時に少女に対して不思議な懐かしさを感じており、それはまるで主君であったオリジナルエックスに仕えていた時のような不思議な繋がりを感じた。
「私は…ルイン。今更こう名乗っても意味ないかもしれないけど、イレギュラーハンター、第17精鋭部隊に所属していたレプリロイドだよ」
「イレギュラーハンター?第17精鋭部隊だと?」
確か第17精鋭部隊は主君であるエックスがイレギュラーハンター時代に所属し、隊長を務めていた部隊だったはずだ。
「そうだよ、一応ゼロとエックスの後輩だったけど…二百年も昔じゃあ、あまり意味ないよね。エックスはいないし、ゼロは記憶喪失だしさ」
疲れたように言うルイン。
目を覚ましたらいきなり二百年も経っていて世界は荒廃しており、エックスは行方不明でゼロは記憶喪失、一体どうなってるのか分からないままなのだ。
「…………」
一方のハルピュイアは冷静にルインを見つめていた。
彼女のエネルギー反応を見る限り、まともにやり合えばよくて互角だろう。
このまま生かしておけば、いずれゼロと並んで自分達の大きな障害となることは間違いない。
「(ネオ・アルカディアの…人間を守るために倒さねばならないと言うのに…何故だ?何故俺はこの女と戦いたくないと思うのだ?)」
彼女に剣を向ければ、まるでエックスを裏切るかのような気がしてならず、それに彼女の顔立ちが何故か同僚のレヴィアタンと似ているのも戦いを戸惑う原因であろうか?
ハルピュイアは少しの間を置いて、ゼロを抱え上げた。
「ちょ、何を……」
「乗れ、アステファルコン。問題ないな?」
「ハッ」
「え?」
アステファルコンと呼ばれたレプリロイドの背にゼロを放り投げたハルピュイア。
怪我人
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