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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico49-A大力は禍の元
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ウーノ姉もドクターを宥めるので精いっぱいみたいだしさ」

セインがそう言って、不安そうにスライドドアの方に振り向いた。先の次元世界とは違ってアホなドクターがキレている姿が想像できない。はやても「なんや大変やね」不安な面持ちだ。俺はその通信相手のことが気になったため「誰と話していたんだ?」と訊いてみた。

「モニターにはSound onlyってあったから顔は知らないけど、お兄さんみたいだったみたいだよ。ドクターも、兄さん、って呼んでいたし」

「兄・・・だと・・・!?」

「へぇ〜。ドクター、お兄さんが居るんか〜。初めて知った〜」

耳を疑った。ジェイル・スカリエッティに兄が居る。有り得ない。スカリエッティは最高評議会がアルハザードの技術を使って生み出した人工生命体だ。しかし、スカリエッティが言い争うような相手が居るのもまた事実。それにこれまで奴と接してきた俺の勘が、スカリエッティを信用して良いと告げて来ている。

「ドクターにお兄さんが居ったのもビックリやったけど、あのおとぼけドクターが怒鳴るなんて想像できひん」

「そうだな〜。日頃のドクターを見ていれば信じられないよな〜」

演技じゃないんだ、ドクターやシスターズの間抜けっぷりも。ドクターは無実だ、ドクターに兄が居る、という情報を前提にすることでとある推察が1つ立った。それを証明するためにも通信相手を探った方が良いのかもしれないな。

「そういうわけだからさ。あたしひとりだけの出迎えだけど、それで勘弁してね」

手を合わせて謝るセインに続いて応接室へと向かい、「バイバーイ♪」そのままセインに見送られながらスカラボを後にして、ミッドへと降りるために次元航行船の定期便の発着場へと向かった。

†††Sideルシリオン⇒はやて†††

本局からミッドへの次元航行船の定期便に乗ってやって来たんは、第1世界ミッドチルダは首都クラナガン。夏が近くなって気温が高くなった海鳴市に比べれると、まだまだ春って感じの温かさや。

「えっと、遊園地に行くには・・・っと、アレに乗れば良いんだな。ほら、はやて、出発される前に乗ろう!」

「あっ、うんっ!」

ルシル君と一緒にバス停に向かって、路線を確認したルシル君がわたしの手を握って引っ張ってくれた。バスに乗り込んで空いてる席に座る。公共交通機関は基本的に地球と変わらへんから迷いなく乗れる。とは言うても、これまで何度も経験してるから迷いも何もあらへんけどな。

「ルシル君、なんかおやつ食べるか?」

「ああ、貰うよ」

膝に乗せてたポシェットを開けてガサガサと中を漁って、数十個入りのクッキーの袋を取り出す。そんで封を開けて、2枚入りの小さな袋に入ったクッキーを「はい、どうぞ」隣に座るルシル君に渡す。わたしも1個
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