番外編
妄想シュウくん
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「私の話を聞けーッ!!」
誇らしげに胸を張る暁ちゃんとぷんすか怒っているビス子さんを尻目に、シュウくんは私のほうを振り返ると『ほら、行こう!』と言い、私の手を取って引っ張ってくれた。私はシュウくんに導かれるままに前に進んだ。さっき司令がスクリューを描きながら突っ込んだせいで想像以上に損壊している酒保が視界の片隅に見えた。よく見たら、司令の上半身が壁を突き抜けて痙攣していた。修理代は司令持ちだろうか。そう思おう。
真っ赤な夕日が綺麗に映える、鎮守府の埠頭まで来た。ここでシュウくんは自分の生徒たちに時々大きい音を出す練習をさせる。私も帰投するときに、ちょくちょくここで大きい音を出しているシュウくんと艦娘たちの姿を見ることがある。
シュウくんたちは埠頭のへりに3人並んで立っている。私は少し離れた場所においてあるベンチにこしかけ、3人の様子を眺めることにした。
「ペットもボーンも考え方は変わらないからね。このアサガオから出た音が、まっすぐ飛んでいくのをイメージしながら音を出すんだよ」
「分かったわ。せーの……!」:べー……
「ダメよアカツキ。そんなのでは一人前のレディーとは言えないわね」:ぶー……
二人が出した音はお世辞にもキレイな音とはいえない。ビス子さんの音にいたっては、例えるとちょっと大きめなオナラみたいな音だ。そんなこと言ったらビス子さんへそ曲げちゃうから言わないけど。そんな二人の音を聞いて、シュウ先生は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「んー……二人共ちょっと音がのぺっとしてるかなー……」
「ぶーぶー!! 出来るわけないわよ! アサガオから出た音をまっすぐ飛ばすだなんていくら私でもイメージつかみにくいわよ!! ぶーぶー!!」
「そうよ! いくら私が一人前のレディーでもそんなのできるわけないんだからッ! ぷんすか!!」
生徒二人からの非難を受けて、シュウ先生は困ったように頭をポリポリかいていた。私のダンナ様は、この修羅場をどう乗り越えるのだろう。見ているのが少し楽しくなってきた。
「そうかなー……艦娘の二人なら、音をまっすぐ飛ばすイメージってつかみやすいと思うんだけど……主砲を狙い撃つ感覚で行けばいいと思うんだけどなー」
「分かるわけ無いでしょぶーぶー!! なんならあなたお手本見せなさいよ!!」
「そうよ! そしたらシュウくんのこと一人前のレディーだって認めてあげるんだからッ!」
暁ちゃん、シュウくんは私のダンナ様だから、どれだけ頑張っても一人前のレディーにはならないんだよ。その前に、すでに私のダンナ様は一人前のジェントルマンなんだけどね……とか考えてみたりウッハァアー。
「お手本か〜……よし。二人ともよく聞いててね〜……」
シュウくんが海に向かって自身が持っているト
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