番外編
妄想シュウくん
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ての相手がお姉様ではなく男の人になるとは……シュウくんと出会う前は考えられないことでしたお姉様……いやもう人工呼吸してるからはじめてじゃないのか……あ、でも、水の中のときみたいに、もう少しギュッて抱きしめて欲しいかも……シュウくん……
私は意を決し、目を閉じて、自身の唇にシュウくんの唇が重なる瞬間を待った。
『……そういうことは、意識があるときにやってくれ』
『……へ?』
そういうと、私のダンナ様は受け身も取らずに盛大に後ろにバターンとぶっ倒れた。あまりに突然過ぎて、私は呆然としてしまった。ホッとしたような……残念なような……
ほどなくして気がついたシュウくんはそのことをまったく覚えておらず、どうやらあの一言は無意識のうちに発していたらしいことが判明した。
その後私とシュウくんは、元々姉弟である上にケッコンカッコカリが成立した二人ということで、ずっと一緒の部屋で生活しているわけだが……私に色気がないのが悪いのか、それともシュウくんがその辺にまったくの無頓着なのか……原因はまったくハッキリしないのだが、そういう雰囲気になったことがない。……ちぇ。
そんなことを思い出しながらシュウ音楽教室へ向かっていると、へっぴり腰でとことこ歩いている司令を見つけた。なんでも酒保に用事があるらしい。
「お、比叡」
「あ、司令」
一言二言、言葉を交わした後、私と司令は行く方向が同じということで一緒に歩く。司令は司令なりに私とシュウくんの仲のことに興味を持っていたらしく、酒保が近づいてきたところで司令は私に色々と聞いてきた。
「その後どうだ?」
「はい。おかげさまで練度も着実に上がり続けてます!」
「いやそういうことじゃなくてだな……仲良くやってるかなーと思ってさ」
そういう質問なら、答えはイエスだ。向こうの世界で過ごしていた時以上に、私とシュウくんの仲は親密になっている。この前のお休みの日だって、一緒に手をつないで買い物に行ったし。
「いやいやいやお前らケッコンしたんだろ」
「そうですよ?」
「だったらもっと他にも親密な愛情の確認方法ってのがあるだろう駆逐艦じゃあるまいし。そんなどう見ても思春期でボーイミーツガールなレベルじゃなくてさ……」
金剛お姉様からの一言のせいで今の私の頭の中は、こんなこと言われたら一つしか思い浮かばない。今日の私は頭の中がまっピンクで浮かれている。
「〜〜ッ?!! いやちょっとそんなこと言わないでくださいよ司令ってばー!!」
真っ赤な顔になってしまっているのをなんとか誤魔化したくて、私は司令のケツを思いっきりひっぱたいた。ひっぱたかれた提督は『ばふぉあっ?!』という悲鳴を上げながら上空に吹っ飛び、錐揉みに逆ムーンサルト回転を加えた状態で、放
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