番外編
妄想シュウくん
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ね、姉ちゃん?!!」
バカっバカバカっ。妄想だと思って好き勝手やってた私のバカっ。恥ずかしい。顔から火が出る勢いで真っ赤になっていく。どうしよう! 恥ずかしい!!
「シュウくんッ?!! お姉ちゃんはっ…お姉ちゃんはっ!! ひぇぇえええ?!!!」
「な、何事だ姉ちゃんッ?!! どうしたんだぁあッ?!!」
私の耳から富士山噴火レベルの水蒸気が吹き出す私は、そのままのけぞってベッドの上をのたうち回った。めちゃくちゃ恥ずかしいッ! “ギュッてしてほしい”とかめちゃくちゃ恥ずかしい!! シュウくん!! お姉ちゃんめちゃくちゃ恥ずかしいです!!
その後、『落ち着くから』とシュウくんが淹れてくれたココアを飲みながら、私は事の経緯を説明した。いやホント、説明すること自体がすごくすごく恥ずかしいんだけどシュウくん……
「いや姉ちゃん……それ聞いてる僕も恥ずかしい……」
「そ、そんなこと言われても……金剛お姉様がぁああああああ」
「晩ごはんににんにく食べただけで、そこまで妄想できた姉ちゃんがたくましいよ……」
「だって金剛お姉様がぁぁああああああ……司令がぁぁあああああ」
「い、いやまぁ……とにかく落ち着こう姉ちゃん」
私の今の恥ずかしさのスゴさを知ってか知らずか、シュウくんは冷静に私をたしなめる。それすらなんだか恥ずかしい。今まで妄想シュウくん相手に一人相撲をしていたみたいで恥ずかしくて仕方ない。
そんなことを考えながらベッドの上でのたうち回ってると……不意に、顔を真っ赤にしたシュウくんが私を呼んだ。
「姉ちゃん!!」
「ひぇええええ?!! は、はいシュウくん!」
「体起こして!」
「へ? なんで?」
「いいから!!」
「は、はい」
私はシュウくんに言われるままに上体を起こした。シュウくんの顔がものすごくまっかっかだ。すごく真剣な表じょ
――ちゅっ
「……」
「……」
「……ぷはっ」
「ふぅ……」
「……プッ」
「……クスッ」
「ぷふっ……ねえちゃん」
「クスクスッ……なーに?」
「案外……ふふっ……簡単だね」
「そうだね。簡単だね。ふふっ……」
「これなら……次も簡単に出来そうだね」
「うん。次も簡単だね」
――ちゅっ
お姉様。私たちは今日、やっと“はじめて”を迎えました。
「でも姉ちゃん……顔真っ赤だよ?」
「シュウくんだって……もう一回」
「うん……あ」
「ん?」
「おでこ当たる……」
「んー……」
――ちゅ……
終わり。
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