番外編
妄想シュウくん
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でられると、それだけで身体中がフワッとして、ふわふわと宙に浮いてる不思議な感覚に襲われてしまう。いけない。どうしよう。すごく気持ちがいい。意識がぼんやりする。目を開いても視界がどうもぼんやりしている。
「気がついた? 姉ちゃん?」
私の頭をなでてくれるシュウくんがほっぺたを少し赤くしながら、屈託のない笑顔を向けてくれた。その笑顔がとても素敵でカワイイ。こんなカワイイ人が、私のことを追いかけてきてくれて、私を助ける時に周囲を巻き込むほどの怒りを見せたことが、私にはとても嬉しかった。私のために怒ってくれた。私にケッコンしろと言ってくれた。それがうれしい。思い出しただけで胸がドキドキする。それがとても心地いい。
私は上体を起こした。頭を撫でてくれる妄想シュウくんの手をのけると、妄想シュウくんの身体に手を回し、そのまま自分の身体を妄想シュウくんに預けるように寄り添った。真っ赤になっている妄想シュウくんのほっぺたと私のほっぺたを重ねる。妄想シュウくんのほっぺたがとても熱い。
「?!」
シュウくんが固まっている。今回の妄想シュウくんは、私が知ってるシュウくんとだいぶ近いみたいだ。この妄想シュウくんは、私が好きなシュウくんだ。
「シュウくん」
「ね、姉ちゃん……?」
「お姉ちゃんね……ギュッてして欲しい」
「〜〜ッ?!!」
私の一言に、妄想シュウくんのドキドキが大きくなったのが分かった。どうしよう。すごくカワイイ。私の弟……いや私のダンナ様、ものすごくカワイイ。ダンナ様は震える両手で、ものすごく優しく包み込むように、私のことをふわっと抱きしめてくれた。
「んんっ……」
妄想シュウくんが私を包み込んでくれた瞬間、全身にぞくぞくっとした快感が押し寄せた。どうしよう。すごく気持ちいい。シュウくんに優しく包まれることは、すごくすごく気持ちがいい。
……でもちょっと物足りない。
「シュウくん」
「な、なんでしょうかお姉様ッ?!」
どうしよう……言ってしまおうか……いいや言ってしまえ。どうせ妄想なのだから。
「もうちょっと……強くてもいいよ」
「〜〜ッ?!! 〜〜ッ?!!」
シュウくんの震える両手に、少し力が入ったのが分かった。それなのに……ほんの少し力が入っただけなのに、すごく気持ちがいい。好きな人にギュッてされるのが、こんなに気持ちいいだなんて思ってもみなかった。
それにしてもシュウくん……もっと強くギュッてしてくれていいのに……もっともっと強く抱きしめてほしいのに……さっきまでの妄想シュウくんはあんなに積極的だったのに……積極的? 妄想? ちょっと待って? これってひょっとして?
――妄想ではありません。現実です。
「ひぇえええええ?!!!」
「
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