第2章:異分子の排除
第13話「代表決定戦まで・前」
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ヒュッと振られる出席簿を少ししゃがむ事で回避する。
「一夏の事を紛い物呼ばわりだと?思い上がりも大概にしろよ?」
「思い上がりもなにも、事実だよ。」
「はっ、お前こそ前まで溺愛してた癖に、よく言えたものだな。」
目の前にちーちゃんの膝が映る。...膝蹴りだ。
上体を逸らし、そのままバク転に移る事でそれを回避する。
「当たり前じゃん。だって、あの時の私も紛い物だったのだから。」
“それに”と言って近寄り....
「その私がさー君だと、気づかないだなんてねぇ?」
「なっ!?束!?」
ちーちゃんの後ろにあった物陰から“私”が出てくる。
「本当のちーちゃんなら、さー君の変装だって気づけたはずなのに。」
「変装...だと?」
「自己紹介の時に声真似が得意だって言ったはずなのにな。」
「お前は....!」
声と口調を戻し、千冬にそう言う。...案外演技は楽しかった。
「あ、でもあの時のちーちゃんも完全に騙されてたっけ?」
「あの時の驚いた顔は面白かったな。...後が怖かったけど。」
ちなみに竹刀(篠ノ之家の道場から借りてた)で追いかけまわされた。
いやー、束と二人で謝りまくらなきゃ、たんこぶでは済まなかったな。
「っ....なんだ...前にも、こんな事が.....。」
「あれ?これだけで思い出しかけてる?」
「そんな印象深い記憶だっけ?...まぁ、元に戻せるからいいけどさ。」
...もう少し後押しが必要だな。
「さぁ、さっさと戻ってこい。千冬。」
「ちーちゃんがいないと、せっかく三人で交わした約束が果たせられないよ。」
「約...束.....?」
かつて束が言った事であり、俺たち三人で誓った事...。
「“絶対、三人で宇宙へ...無限の成層圏へ行こう!”...ってな。」
「...ちーちゃんがいないと...三人じゃないと、ダメだよ。」
「ぁ.....ぁ.......。」
俺たちの言葉によろめく千冬。頭も抱えている事から、洗脳に抵抗してるのだろう。
「さー君!」
「任せろ!」
千冬に手を翳し、洗脳が解けるように念じる。
すると、束やマドカちゃんの時と同じように光に包まれる。
「っ...ぁああああああ!!?」
「ちーちゃんの珍しい絶叫!一応録音しておこう!」
「結構大事な事してるのにお気楽だなおい!?」
俺の事信じてるからこその行動だろうけどさ!
後で殺されそうだな...。
「ひぶっ!?」
「あ。」
光の中から出席簿が振られ、束の側頭部に当たる。
「た〜ば〜ね〜...!何
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