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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第212話 新たな世界
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GGO(ここ)に来て、日も浅いからね。ま、大型イベント参加前の景気づけ、かな。多分ビックリするから』
『え?? お楽しみ会で、ビックリ……ですか』

 話し声が聞こえてきた。

 普段の酒場であれば、GGO内の戦闘をモニターで中継し、その喧騒染みた声援や野次が店内によく響いていていて、ちょっとした話等、聞こえるようなモノじゃないのだが、今日は店内にはプレイヤーが少なく、良く聞こえる。

『あっ 来たみたいだね? 噂のリューキくんのファンがっ♪』
『はぁ、シノンやキリトのファンでもあると聞いたんだが?』
『イイじゃんっ♪ 今はキリトくん、いないし。シノンさんは もう会ってるみたいだからね〜。それに、リュウキくんの事、一番熱心だって言ってたもんね〜?』
『ううむ………』

 レイナの言葉を訊いて やや、ゲンナリ気味であるリュウキ。
 だけど、良い印象を持ってくれてるからこそ、ファン、とまで言ってくれてるから、邪険をする訳にはいかないだろう。だから、とても複雑気味な表情をしていた。

『あはっ りゅーきくん? 自然に、自然にー、だよ?』
『あ、ああ。……だが、慣れてないから、こう言うのは……』
『ふふ。大丈夫だよ。だって、リュウキくんだもん』
『……んな無茶な』

 レイナは妙にニコニコしていていた。
 

 因みに レイナ自身は当初こそは ちょっぴり複雑な思いもあった。

 リュウキのファン。
 つまり、ファンであり、実際にリュウキに出会ったら……、そこからまた、ライバルが増えてしまうのではないか? と思えてしまっていたのだ。
 勿論、リュウキの言う『レイナが一番』と言う言葉を疑っている訳ではない。……やっぱりレイナも 女の子だから どうしても 嫉妬と言うものはしてしまうし、姉の明日奈にも似て、少なからず独占欲も強い。



――……でも、リュウキくんに救われた、と言う人も本当に多い。だから、1から10まで 全てを、今の彼を全部、と言うのは、欲張り過ぎる、よね。



 時折、心の何処かで レイナは、そうも想っていたのだ。


 それは、シノンの姿を見て そして これまでの事を。……リュウキに貰ったモノ、してくれた事、全部見て、訊いて…… その想いが強くなった。

 だから それも受け入れた上で 自分の事を全てを包み込めたら と、今は強く想っている。……想ってたりしている。……想っていても、結局それでも妬いちゃうのは レイナだから致し方ない。

『(でも、最後は私………)』
『はぁ……、でも レイナもオレのSAOでの時の事、知ってるだろ? 色々と大変だったのが……。 ん? レイナ? どうした?』
『え、ええっ? ううん。何でもないよっ?? あ、ほら シノンさんだよっ』
 
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