第20話 軍神と燕人との別れ
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で歌ったのか、それをどうしても知りたかった。
それにバサラは
「お前ら、あの時武器持ってお互いに振りあってただろ?
だからあの時は殺し合いをしてるように見えたんだ。だからおれの歌を聴かせて辞めさせてやると思ったんだ。」
と答えた。
それに2人は驚いた。
歌を聴かせて、戦いを辞めさせる?
そんなこと、聞いたことが無い。だが、自分たちが辞めたのは事実だ。
それも踏まえ、聞いてみたい。
関羽はそう考え、さらにバサラに問う。
「お主は本気で、本気で言っておるのか?この乱れた世で。それが誰であろうとも、だ。それでも歌で戦いを辞めさせると、そう言うのか?」
それにバサラは
「へっ!感動するハートに国や民族は関係ねえぜ!誰が相手だろうとおれはおれの歌を歌うだけだぜ!」
そう答え、ギターを鳴らす。
関羽はバサラの答えを聞き、考える。
(この男は、国や民族などといったものは歌を聴くのに関係無い。そして誰だろうと己の歌を聴かせ、感動させる。
それがたとえ民だろうが、皇帝だろうが、そして賊であろうと、だ。それにしか興味が無いということ、か。)
(甘い。甘すぎる。そんなこと、この乱世に向かいゆくこの大陸ではそんな考えなど通じぬだろう。
だが、この男ならば、この男の歌ならば、それも可能なのではないか。
これは理屈では説明出来ぬ。これは我が魂が感じたものだからだ。)
そこまで考え、
「・・・そうか。お主の考えは分かった。礼を言う。」
と言い、頭を下げる。
「おいおい、別にそんな頭下げなくていいぜ。」
と少し困った顔でバサラが言う。
「それに関羽、殿は付けなくていいぜ。そんなもん、堅苦してよ。」
「そ、そうですか。申し訳ありません。」
「ああ、頼むぜ。」
そう苦笑しながら関羽に語りかける。
「ね、ねえ、お兄ちゃん。」
「なんだ?」
張飛がおずおずとバサラに話しかける。
「その、鈴々の真名を受け取って欲しいのだ。」
「いいのか?」
「う、うん。その、お兄ちゃんならいいのだ。」
そう言いながらはに噛んだような笑顔をバサラに向ける。
「そうかい。なら受け取るぜ。おれに真名は無えから好きに呼びな。」
「分かったのだ、お兄ちゃん!」
「ああ、よろしくな!鈴々!じゃあ、そろそろ行くぜ。またな!」
そう言いながら赤兎と共に北へ向かって歩き出す。
「愛沙、よかったのかー?」
「何がだ?」
「お兄ちゃんに真名を預けなくて、なのだ。」
「ああ、そのことか。」
事実、関羽は悩んでいた。
鈴々がバサラに真名を預けた時に自分も預けようかと思った。
だが、
「・・・バサラ殿、いやバサラが己の信念を諦めずにどれほど貫けるか、見たくてな。
それを見てから決めたいと思う。」
「はあ〜、まるですぐにまた会う
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