第19話 燕人と軍神との邂逅
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音?」
そう声をあげるのは森を歩くバサラ。
その横には赤兎もおり、どこかへ向かっているようだ。
「まあ、いいか。」
そう言ってまた歩きだす。
彼の向かう先には張飛の住む山小屋があり、彼女に歌を聴かせるのが目的なのだろう。
関羽と張飛が打ち合うこと50合。
2人は多少息を乱してはいたがその手に握る武器の速さは衰えることが無い。
その顔には笑みさえ浮かべられている。
だが、関羽には疑問が湧いた。
その疑問を問う為に一度張飛から離れた。
「張飛とやら。お主がその歳でそこまでの武勇を備えていることに驚いたぞ。そしてその膂力、子供とは思えんほどだ。見事だ。」
「へへっ、当然なのだ!鈴々の強さに驚いたのならそれはしょうがないことなのだ!」
そう嬉しそうに返事をする張飛。
「だが、それほどの強さを備えているにも関わらずなぜ村にくだらぬ悪戯などをするのだ。」
そう聞く関羽。
続けて
「そんなことにその武を使うのは勿体無いと思わぬか?やっていることは村の子供たちと共に悪戯三昧、それではその武の腕の持ち腐れではないか。」
そう諭すように話す関羽。
それに張飛は
「う、うるさいのだ!鈴々に偉そうに説教するな!なのだ!」
そう言って再び突撃する構えをする。
そして関羽もそれに応じようとする。
だがそこに
「お前らあああああ!!やめろおおおおお!!」
『!?』
突然、大声が聞こえ、2人はその声の方向に顔を向ける。
そこにはバサラがギターを構えていた。
「な、何者だお前は!いきなり現れて!」
「そ、そうなのだ!なんなのだ、お前は!」
バサラに問いただす2人。
だがバサラは
手を振り上げ、ギターを一際大きく鳴らす。
「うるせえ!てめえら、争いなんか辞めて、おれの歌を聴けえええええ!!」
『は??』
2人は思わずポカンとした顔をバサラに向ける。
バサラはそれに構わず歌い出す。
「いくぜえ!!出来たてほやほやの新曲だあ!!DAIMON!!」
私と張飛が戦う中で、いきなり出て来て歌い出した謎の男。
なんなのだ、この者は?
張飛も同じだったようで私たちはこの男に問いただしたが、それを無視して歌う。
まったくなんなのだ、この男は!
だが、この男が歌い続けていくうちに私は聴き入ってしまう。
この歌、たまに意味が分からぬ言葉が混ざっているが、難しい言葉は無い。
それゆえに頭に、胸に、心にすっと入ってくる。
この歌は誰かを探すところから始まる。
どうすればいいのか、それすらも分からずに探す。
そして、それを邪魔するかのように、さまざまな障害が立ちはだかる。
それは記憶や幻さえも薄れるほどのものである。
そこまで歌い、さらに声に力がこもる。
その後の詩に、私は
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