普段→家庭
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雑誌記者の話をそれほど簡単に信じないと思っていたからだ。さらに協力すればクローズドベータテストに参加…つまり製品版までプレイできるということだ。
黒も勿論クローズドベータテストに応募していたが、現在の応募者数は百万人ということだ。千人限りしかプレイできないため倍率は百倍である。望みが薄い状況だが、協力―スタッフに参加すれば、無条件でそれがプレイできるということだった。
「本当よ。その証拠に連絡先まで貰ってきたのだから」
美夜が取り出したのは電話番号とメールアドレスが書かれたメモ帳の切れはしだった。半信半疑だったがとりあえず受け取る。
「近郷さんにあなたの事を話したら会いたいとも言っていたしね」
それまで声を発しなかった芽吹が唐突に口を挟む。
「腕がおちてないならやってみたらどう?」
「そうだな…まぁ行くだけでも行ってみます」
黒は了承の意を出した。自分でよいのかという躊躇いもありながらだったが、承知の対応を示した。
会話を終えると、黒は食事を済ませ自室に向かおうとする。この日の会話はなんとも淡白だった。いや、この表現は違う。『この日の』ではなく『この日も』だろう。黒は家族に対して引け目を感じているのだから、当然と言えば当然である。致し方ないことである。
黒は自室にて、プログラミングをするためにパソコンを立ち上げる。作っているのは先月から始めた簡易的なゲームである。至ってシンプルなRPGだ。主人公が五つある属性から一つ選び、それによって技が変化してくるゲームだ。属性―すなわち火、風、水などといった、ありきたりなものから選択し遊ぶものだった。
このゲームももう少しというところまで来ており、スパートをかけているのだった。
完成したからといっても、只の自己満足なのだが。
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