普段→家庭
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つ質問いいですか?」
黒が質問をするのは途轍もなく珍しいためか、藍華は吃驚し固まる。しかし藍華はそれを悟られないよう、ポーカーフェイスで、冷静に話す。―否。話せなかった。
「え、ええ。何かしら?」
藍花は目に見てとれるほど動揺しており、驚いているのは一目瞭然だ。藍華の努力は儚いものに消えた。
「今村さんは…。すいません。やはり何でもないです」
そう言い残し黒は教室に戻る。
そこには儚くポツンと佇む藍花の姿があった。
「なんなのよもぉ」
何を聞かれるか期待していた分、裏切られたことがより心に響いていた。
授業時間が終わり放課後に入る。皆それぞれの部活動場所に向かう。
黒は剣道部に入っているので、校庭の隅の道場に向かう。ここまで剣道などという日本の文化が残っていることは驚異的なことだと考えられる。
移動時、途中で会う生徒も勿論いるが、黒は会話する必要性もメリットもないので、そのまま道場へ向かい練習を開始する。下級生は先に来ており練習を開始している。
黒に友と呼べるものはいないといっても、過言ではないだろう。しかし、剣道をするには一人ではもちろんできないので、同じ部活動の相手との会話等が生じてくる。つまり同級生、又は下級生で仲がいい者が出てくる。その一人が二年生の籠(かご) 平(ひょう)真(ま)だ。
「先輩!今日も相手よろしくお願いします!」
平真が活気のある声をかける。次の大会まで近いわけではない。逆に余りあるほど時間は残っている。つまりそれまでに1年で大会優勝者、剣道部主将の黒に稽古をつけてもらおうと、ここ最近声をかけ続けている。黒も度外視などはせず、主将として稽古をつけている。平真もエリートではなく、一般家庭の生徒の為、黒を尊敬しているのも練習を頼んでいる要因だと考えられる。
「ああ。いいだろう。」
そういい端にある試合場に移動する。
近くにいた二年生に声をかける。
「すまないが、審判を頼めるか」
「は、はい」
頼まれた二年生は審判が務まるように準備を始める。黒も防具を着けたりなどの行動を始める。準備が終わると同時に立ち位置に着く。
一本勝負で試合を開始する。理由は簡単。アドバイスを直ぐに伝えられ、上達しやすいからだ。
「始め」
その声がかかると同時に平真は攻撃を開始する。
「面!」
平真は何度も攻撃を繰り出す。面、小手、胴、多種多様なところに攻撃を仕掛けてくる。その攻撃の速さに審判や見物している部員も呆気にとられている。しかし黒は攻撃を見切り、全てを避け一撃のみを繰り出す。
「小手」
しばしの間驚きの為か沈黙が続く。そしてその沈黙を打ち破るかのように審判が声を出す。
「小手あり!」
そういい審判は旗を上げた。勝負は当たり前であるかのように黒の勝ちだ。黒が平真に言葉を発す
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