暁 〜小説投稿サイト〜
swordarton-line〜二度目の世界〜
転生→生活
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うけど、難しいよ」
「まぁ、要修行だ」
二人が剣道を始めたのは、祖父により八歳の頃より剣道場に通わされていたことがきっかけだった。運動能力がいい黒にとって剣道でも躊躇なく実力を発揮し、その実力は有段者の大人を軽く凌駕していた。
「早く片付けて朝食の準備だ。母さんもそろそろ起きるだろう」
「うん。分かった」
ここ最近、二人の母親である美夜は遅くまで残業している。パソコン情報誌の編集者をしている美夜は、近年発売される新ジャンルのゲームの取材らしい。締め切りが近づくとほとんど家に帰ってこないが、今の忙しさはそれと同等と言ってもいい。
「お兄ちゃん。お母さんや世間が注目しているゲームってどんなものなの?」
「バーチャルリアリティーマッシプリーマルチプレイヤーオンラインロールプレイングゲーム略してVRMMORPG…仮想世界大規模ロールプレイングゲーム。首を覆うゲー   ム機、ギアファクトを通じて脳の働きにアクセスし、その意識をデジタルデータの世界に送り出す。仮想世界のもとで行われるゲームだ。」
芽吹の疑問に、母親の情報誌から得た知識をもとに淡々と答える黒。転生してから情報を集めるため特にコンピューター関連の情報収集に力を入れてきた。前世からの記憶もあるため、人並み以上にはパソコン関係の知識に精通するに至った。
早口で淡々と喋っていたため、理解が追い付かず芽吹は首をかしげながら問う。
「ふ〜ん、それってすごいの?」
「昔から同じようなのは作ることができたが、危険性があるため無視されてきた。それを害が無いように作ったんだ。それにギアファクトを使用したゲームはあるが、パズルや知育関係のソフトばかりだったからな。MMORPGとなれば、ゲームの世界に入って戦うのと同じだ。仮想世界が売りのゲーム機として、待ち望んでいたのがようやくでたといったところだろ」
「それじゃあ、そのギアファクトっていうのを使えば、ゲームの世界で冒険できるっていうこと?」
「そういうことだ」
芽吹の問いに答えながら、台所に移動。共に朝食の支度をする。会話をしながらの作業にもかかわらず、動きには一切の無駄がなく、あっという間に朝食が出来上がる。
「それっておもしろいのかなぁ?」
「さあな。だが、従来のゲームとは違うジャンルであることは明らかだ」
「お兄ちゃんはやってみたいと思う?そのゲーム」
「そうだな。興味はあるな」
それまで表情が無かった黒の顔に若干の苦笑が浮かぶ。黒の運動能力は一般人に比べると秀でておりすぎ力を抑えてきたのだ。その力を試す機会ができそうなのだ。それに単純にもどんなものか興味がある。
芽吹はそんな兄の微妙な表情を察知し、さらに問いかける。
「お兄ちゃんもやってみたら?お兄ちゃんが興味あることなんて、滅多にないじゃない」
「ベータテストをやるらしい
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