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勝利者はない
第二章
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げさせつつだ、チャーチルはその部下に応えた。
「葉巻が前より美味くないのは」
「勝利を今よりも噛み締めますと」
「美味くなるか」
「そうでは」
「勝利の味は充分わかったのだがね」
 それでもというのだ。
「前よりもだ」
「それはどういうことか」
「閣下にもですか」
「おわかりになりませんか」
「どうもな、しかし美味いことは美味い」
 その葉巻の味はというのだ。
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