第八章 反転
第9話 崩れ去る希望
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クを守ることが私の仕事ですから」
最強の魔術師を従えさせるアイクという奴の顔が見てみたいものだ、と上条は思った。
その思い?が通用したのか、エレンが出てきた扉から一人の男性が入ってきた。
くすんだアッシュブロンドに、長身。そしてどこかの猛禽の類を思わせる鋭い双眸が特徴的な男である。
士道「アイザック……ウェスコット」
そう。DEMインダストリー業務執行取締役、アイザック・ウェスコット。テレビや新聞を見ていれば一度は耳にしたことのある名前だ。上条は知らなかったが。
ウェスコットは大仰な調子で首肯した。
アイク「よく来てくれたね。〈ディーヴァ〉にーー」
と、美九に視線をやり、次いで士道に目を向けた瞬間、言葉を止めた。
訝しげに眉をひそめてくる。
アイク「君は何者だ……?まさか……いや、そんなはずは……」
その行動に士道は首を傾げたが、眉をひそめつつも返した。
士道「俺は五河士道だ!ここにいる十香を助けに来た!十香を解放しろ!」
そう叫びながら〈鏖殺剣〉の先をウェスコットの方へ向ける。
アイク「君が……イツカ、シドウ……精霊の力を扱うことができる少年……なるほど、そういうことか……。滑稽じゃないか!結局……『あの女』の手のひらの上だったというわけだ!」
突然高笑いし始めるウェスコットだったが士道は警戒を強め、柄を握り直した。
美九「何なんですかー?だから男の人は嫌いなんですよぉ」
上条「いや、男は関係ないと思うが……」
と。
やっと。
ウェスコットが上条の存在に気づいた。
士道に気を取られていたせいで、少し離れた位置にいる彼に気づかなかったのだ。
アイク「君は………?」
上条「え?俺か?俺は上条当麻だけど……」
アイク「カミジョウ……?まさかあの『神淨の討魔』か……?」
その名は、何度か魔術師から聞いた名前だった。
恐らく自分自身のことを指しているのだが、上条はその意味も知らず、どうしてそんな通り名で伝わっているのかはよく分かっていない。
アイク「くくく……なるほど、奴は″目覚めさせる気″だな……」
この言葉には流石に首を傾げた。一体誰のことを指して、どんな事をしようとしているのか全く意図できなかった。
士道「おい、早く十香を解放しろ!」
業を煮やしたのか、士道はイラつきを交えながらウェスコットに叫んだ。
アイク「嫌だと言ったら?」
士道「力づくでやらせるまでだ」
アイク「君に出来るとでも?」
士道「やってみなきゃ分かんないだろ?」
言うと士道は力を込めて〈鏖殺剣〉を握り前へと駆け出す。
上条「っ!?やめろ士道!!」
士道を止めるべく、上条も前へ
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