第八章 反転
第9話 崩れ去る希望
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電子コードが絡まった椅子に座っていて、佐天はその反対側で床に倒れていた。
上条「大丈夫か、佐天さん!?」
なんというか、少し変だった。
上条が佐天の方に近寄って状態を確認した。服は所々破け、かなり乱れているのに身体は傷一つついていなかった。
おまけに。
佐天「………スー……スー」
気持ち良さそうに寝ているではないか。
上条「大丈夫……なのか?」
まあ本人は寝ているだけなので大丈夫だなのだろう。
と。
士道「十香!!?十香ぁぁぁ!!!」
佐天とは反対側にいた十香の方へ向かった士道が大きな声で叫んでいた。
上条「どうした!?」
士道「十香が起きないんだ!それに、なんかここには変な″壁″みたいなのがあるし……」
上条「″壁″、だと?」
気になったのか、美九が士道の方へ向かい″壁″に触った。
それは薄い緑色のような膜であり、その膜はこの部屋を真っ二つに分けているようだった。
美九「……どういう原理かは分かりませんが、かなり強力です。でも、″こちら側″の力とは少し違うような……」
「えぇ。あれは魔術ではなく科学の力ですよ」
と。
それに答えたのは上条でも士道でもなかった。
先ほど自分たちが入ってきたドアとは別のーー隠し扉のようなところから一人の女性が現れた。
それは今後忘れることのない顔であり、″最強″を名乗る魔術師。
上条「エレン……メイザース」
絞るような声でその名を呼んだ時、エレンはニヤッと笑った。
エレン「不思議ですね。そこに横たわっている彼女もそうですが……貴方達も不思議です」
士道「どういう、ことだ……?」
エレン「知らないならまだしも、私という″最強″がいる所に何の力もない貴方達がそこの二人を助けるために生身の身体で進入してくるとは……」
心の底から呆れるような声を上げているエレン。だがエレンの言っていることは正論だ。言い返せることなど何もない。
と、ここで気づいた。
上条「一方通行は……?あいつはどうした!?お前と戦ってたはずじゃ……!」
エレン「あぁ、彼なら一応倒しておきました。まあ向こうは本気を出していなかったのであの程度では殺られるはずがありませんけど」
上条「……」
言い方からして、エレンも本気を出していなかったのだろう。本当に化け物だ。
美九「それでー?貴方は何しにここに戻って来たんですかぁ?」
そうだ。本気で戦ってきたならもっと時間がかかるはずだし、一方通行を生かす理由もない。
ならばどうして……と思った時に返ってきた言葉はすごく簡単なことだった。
エレン「アイ
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