第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
縁の糸が絡まりすぎて動けないとか
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え、クラスを5チームに分けての総当たり戦となった授業への姿勢変更を余儀なくされる状況になる中、これを機会にチームメートの女子と仲良くなろうとすればいいところで珠希は一人、さてどうやって報復しようかと別チームになった雅紀を相手に頭を捻っていた。
☆ ☆ ☆
小学校、中学校、高校と進学していくにつれ、クラスのリーダー的存在というものはよくその姿や象徴を変える。
小学校はとにかく活発で「俺に・あたしについてこい!」という俺様リーダータイプがクラスの先頭に立つことが多い。もちろん、そのリーダーが何かと周囲とトラブルを起こすところもテンプレだ。
それが中学校になると成績上位陣かつ部活に入っている人物像にすり替わる。小学校と比べても「委員会」やら「生徒会」の存在が大きくなり、いつの間にか派閥や徒党が組まれていたりするため、発言力を得るためには問題処理能力の高さまで暗に求められていたりする。
そして高校の場合だが、こればかりは何とも言えない。いくつかのタイプはあるが、その学校のレベルによってリーダー像があまりに乖離しているせいだ。
「えっ……と、竜門さんが俺の相手すんの?」
「うん。あたしじゃ不満とか?」
ちなみに小心者ガチオタのクラスのリーダー像はこの三流大根役者であり、今、体育の授業でやっているバスケの対戦相手だったりする。
「いや、そういうわけじゃないけど……」
「じゃあ問題ないじゃん」
「う、うーん……」
どこか遠慮がちに、でも腑に落ちないと言わんばかりの表情をはっきり浮かべて返す雅紀だが、珠希との身長差は約10センチ。ミスマッチもいいところである。
それでも珠希がスタメン出場を直訴して、昴がそれに押し切られた以上、他のチームメート兼クラスメートたちは何も文句を言えず、結局チーム全体で珠希の雅紀への報復を後押しする形となってしまった経緯はどうでもいいとして――。
なお珠希と昴のチームメンバーが6人のため、ベンチには吹奏楽部員の女子がいる。やはり体力と運動神経は別物だったと証明してくれた彼女には一時休憩が必要だった。
「おーい、匂坂。パス」
「おう」
ひたすら柔軟体操時の報復をするべく密かに燃える珠希に気づかず、パスを受け取った雅紀はドリブルを始めようとした。が、次の瞬間――。
「あれ……?」
雅紀の手元から、先刻まであったはずのボールがなくなっていた。
と同時に、コート脇から試合を見ていたクラスメートから声が湧き上がった。
……
…………
………………
「――で、昴くん。どれくらい本気でやればいいと思う?」
チーム2試合目となる、雅紀のいるチームとの試合開始前。
自分
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