第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
メイドロボは割と欲しいんですよ。いやマジで
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「はいはい。わかったよわかってるよ、おねーちゃんの言いたいことは」
「本当に?」
「ホントに」
「本当の本当に?」
「ホントのホント」
「へぇ……」
「……っ。ホントだってば。………………たぶん」
真剣な面持ちで、自分の顔が映り込みそうなほどまっすぐ目を見てくる姉の無言の圧力の前に、はや中学2年にして小悪魔系のスキルを習得し始めている結月もすぐに腰砕けになってしまう。
その原因が同性すら魅了するレベルにあるこの姉にあるとは言えないでいるのは、当の本人が自分の美貌や知性、持っているスキルに自信を持っていないという最大かつ意味不明な障壁が存在しているためである。
「その表情は反則じゃん……」
「ん? 今何か言った結月?」
こんな難聴主人公な一面を覗かせるのもまた然り、である。
「……あ、そういえばさ、おねーちゃん」
「なに? どしたの?」
「今日聞いたんだけどさ、おねーちゃんの学校に『師匠』のお孫さんいるらしいね」
「え? 『師匠』の?」
話題を変えた結月の口から何年ぶりかの「固有名詞」を聞き、珠希は思わず聞き返した。
「うん。なんか私とおねーちゃんが通ってた道場に今でも通ってる人がクラスメートにいて、その人から聞いた」
「へえ。あたしも結月も即行辞めたのにね」
「そうだね。てか、私はああいう身体動かす系のは無理だし。あ、師匠は師匠でまだまだ元気だってさ」
「え? あの人当時既に70近くなかった?」
「いや今もまだ道場に出てるんだってさ。凄くない?」
この「師匠」というのはこれより以前の話に登場した、珠希が護身術を習うために通っていた空手道場の師範のことである。
なぜ護身術を? といういきさつは前述したとおり、無知と無邪気の塊だった当時の珠希が知らないオ×サンからお菓子をもらう代わりに××を××に××されようとしたところを良識と正義感ある近所の人の通報により救われたという件が根底にある。
実際のところ、この事件の後に珠希の両親は親戚中から非難を受けてしまい、自由にのびのび育てるという仮初の放任主義の教育方針変更をせざるを得なくなったせいでもあるが。
そしてこの教育方針変更の対象には当時から珠希と並んで美人姉妹と言われていた結月も含まれていた。
「はぁー。まだ現役とか、今時分の年寄りはマジ凄いわ」
「おねーちゃん。その発言は年寄り臭い」
「………………そっか。じゃあ結月。もうちょっと買い物してこうか?」
女性に対し、ストレートに年齢を尋ねるのは(様々な意味で)禁忌である。しかもおおよそ30歳を境にアウトになる理由事項の比率が変わってくるため、その場の空気清浄器を誤作動させないためにも世の中の男も
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