第二章
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「行けばわかるよ」
「これから行く博物館にですね」
「行けばわかりますね」
「今から」
「その博物館は歴史に忠実な資料ばかり置いているから」
つまり史科として忠実な資料を選んで置いているというのだ。
「見るといいよ」
「はい、それじゃあですね」
「そこに行けばバイキングのことがわかるんですね」
「それも正確に」
「そうだよ、だから行こうね」
是非にという口調での言葉だった。
「もうすぐだから」
「わかりました」
生徒達はデルクセンの言葉に素直に頷いた、そしてだった。
彼等は博物館に入りそこでバイキング達の資料を見た、当時のバイキングの平均身長で再現した完全武装の人形に舟もあった。
そうしたものを見てだ、生徒達は口々に言った。
「あれっ、何か」
「そうだよね」
「イメージ通りのこともあるけれど」
「イメージと違うところもあるね」
「思ったより小さい?」
その人形、濃いブロンドの髭に青く強い目を持つ完全武装の人形も見て言うのだった。
「先生より小さいよね」
「先生大体一八五だけれど」
「このお人形一七〇位?」
「僕達よりは大きいけれど」
「それでも」
「小さいよね」
「思ったよりも」
「当時の人達は今より小柄だったんだよ」
デルクセンはここでいささか驚いている生徒達に話した。
「食べるもののせいでね」
「そうだったんですか」
「じゃあ栄養がなくてですか」
「今より小さかったんですね」
「今の人達よりも」
「そうだったんだ、これでも当時の人達の間ではね」
その時代に生きていた人達の間ではというのだ、欧州だけでなく他の地域でもだ。
「バイキングは大きかったんだよ」
「これでもですか」
「そうだったんですか」
「まだ大きかったんですか」
「バイキングの人達は」
「うん、それもかなりね」
アラビア商人達は彼等を見てこれ以上大きな者はいないと言ったがその言葉にある様にというのである。
「これでもね」
「今から見ると小さくても」
「昔はなんですね」
「大きかったんですね」
「そうだよ」
こう生徒達に話した。まずはそのことからでだ、
生徒達は舟も見てだ、そして。
何の装飾もない鼻当てのある甲と独特の引っ掛ける形の片刃の斧、一直線の形状の大きな剣も見てだ、今度はこう言ったのだった。
「何で角ないの?」
「バトルアックスでもないし」
「それに剣も何か」
「思ったのと違うし」
「思ったおり大きくて」
「片刃じゃないんだ」
「バイキングの兜には角はなかったよ」
デルクセンも答える。
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