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逆襲のアムロ
23話 数々の星屑たち・・・ 5.12
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アットの間を割くようにコロニーが侵入する。阻止限界点からは大分距離がある。それを包み込むように連邦も殺到するだろう。

シーマにはその命と地球の大気圏内にて、各都市への攻撃用のミサイル群を発射させる装置を持たしてある。コロニーにそのような細工をしていた。全てのミサイルが非公式での入手、つまり核だった。

「元々、南極条約を破って来たのは連邦の方だからな。もはや効力などあるまい」

「は?」

シャリアはギレンの独り言に驚いた。総帥はまた何か思惑がある。それも過激なもの。シャリアはあえてそれについては言及しなかった。たまに苛烈さにあてられて、気の迷いを生じる時があった。自分の理想を求める上では汚れ仕事も必要だと分かってはいるのだが、気が引くのは良心が残っているからだった。


* ワイアット艦隊 ジオン本隊 交戦宙域 ワイアット旗艦 艦橋 同日12:00


ワイアットは冷静だった。特別喜ぶこともなく、隕石群の攻撃でソーラレイの無力化に成功、後始末だけだった。

「両翼、ゆったりと包み込むようにジオンを殲滅せよ」

ワイアットの号令により、戦況を映し出しているモニターが各々の動きを表示させていた。
徐々に半包囲態勢が整い、ジオンの艦隊が為すすべなく撃ち滅ぼされていく。

オペレーターが再編を済ましたデラーズ艦隊が左翼から迂回して攻撃、並びシーマ艦隊がコロニーと共に艦隊の中央を割って入ってくるという報告をもたらしていた。

「そうか。左翼に迎撃を命じろ。中央を割って入ってくるコロニーについては本隊が対処しよう」

ワイアットはオペレーターにそう伝令をするよう命じた。バスクの艦隊が戻って来て、ジオンの退路に蓋をする計画であったが、現れていない。

「(何をもったいぶっているのだバスク。完全なる勝利をもたらすためにはお前の戦力が必要とする。少し頼り過ぎたのか・・・)」

バスクはジャミトフの部下であり、コリニー派閥でもあった。今は再び地球圏統一の機会のため、内部のいざこざを無くして、挑んでいるはずだった。

「(何を企んでいるのか・・・)」

高揚できない理由がそこにあった。

一方、ワイアット艦隊の左翼に合流していたシナプス隊も戦闘の最中にあった。
無口で定評のある操舵手のイワン・パザロフ大尉が唸っていた。

「ええい!避け処がない」

アクラム・ハリダ中尉も頭を掻きながら、航路を探すに手一杯だった。

「艦長!右も左も死地です」

「なら、前進しかあるまい」

シナプスが叱咤する。それにシモンが反論する。

「艦長!それでは我が艦だけ突出してしまいます。味方との連携をとらないと」

スコットが計算機で弾き出して、効率良く戦えるポイントをハリダの手伝いで探していた。
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