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ハイスクールD×D 黒龍伝説 11
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気合いで耐え抜き、絶霧の向こう側に三人を送り込めた所で影の転移を止める。

『ヴリトラ、生きているか?』

『は、ははは、なんとかな。だが、もう限界に近いな』

『こっちもだ。だが、サマエルが追撃できないぐらいにダメージを与える必要がある。あと一撃に全てを賭ける』

『それでいいのか?』

『オレは、導く側には立てない。オレは露払いが精一杯だ。オレの犠牲で先に進む道が切り開かれるなら、この命、惜しくはない』

『ここにはオレしかいない。格好つけるな。まだ、生きたいのだろう』

「……生きてえよ」

涙が溢れる。ここにはもう、オレとヴリトラとサマエルしかいない。だから、我慢することなく涙を流す。

「生きてえよ。ようやく、ようやく生きていると実感できるようになって、会長やセラフォルー様のようなオレにオレという存在を理解させてくれた人たちが傍にいて、留流子たちみたいに慕ってくれている人たちがいて、兵藤やヴァーリたちみたいに友と呼べるような奴らがいて、周りが落ち着いたら木ノ本先生のことをお母さんと呼ぼうと思ってて、オレなんかを題材にした特撮を見てオレみたいになりたいって子供達まで出来て、レオやオーフィス、スコルやハティみたいな家族のようなものまで出来て。まだ、生きてえよ。こんな所で死にたくなんてねぇ。だけど、ここで退いたらそんな人たちが危険にさらされる。そんなのオレには耐えられねぇ!!」

涙を拭い、エクスカリバーとアロンダイトを杖代わりに立ち上がり覚悟を決める。

「オレには、退けない理由が、いや、退かない理由が有る!!」

『ダメだな。その程度では無駄死にだ。今すぐ退け。まだ間に合う。予測よりも遥かにオレたちの体は頑丈になっていた。今退けば、死なずに済む』

だが、ここにきてヴリトラが俺を否定する言葉ばかりを吐く。

「ヴリトラ、どうしてそんなことばかり言う」

『言うさ。今の半身はいつもと違う。そんな奴に力は貸せん』

「いつもと違う?」

『ああ、そうだ。オーフィスを逃がす時までなら手を貸していたさ。だが、今はダメだ。我が半身、いや、匙元士郎、今のお前は生きることを諦めている』

「え?」

『オレが見てきたお前はどんな時でも生きることに貪欲だった。死から逃れるために、あらゆるものを取り込んで前に進んできた。それなのに、今のお前はここで命を捨てることしか考えていない。そんなお前には力を貸せない』

「オレが、生きることを諦めている」

『それは、ある意味では良いことだ。お前はもう、完全に妹の呪縛から解かれているからだ。だが、戦いにおいて生きることを諦めたものに、生き残る道は開かれん!!匙元士郎!!貴様はどうする!!』

「……すまん、弱気になっていた。以前のシュミ
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