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ハイスクールD×D 黒龍伝説 11
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囲の環境にもよるが、素で半径2〜3kmってところだな」

「えっ、仙術無しで?」

「野生の動物ならこれぐらいは普通だろう?」

「変体にも程があるぜ!?」

「ふむ、一回魔力も仙術も道具も無しで子供の姿で山に篭ってみろ。これぐらい普通に身につくぞ」

「なんだそれは?」

「実体験だが?ちなみに一月ほどで狩猟期と重なって誤射を受けた。10年ほど前だ」

「7歳の体で銃弾を受けて生きているだと!?」

「誕生日らしきものはまだ先だから6歳だな。ラインをそこそこ使えるようになっていて良かった。でなければ死んでたな」

「お前、一体何回死にかけてんだよ」

「え〜っと、虐待、クマ、誤射、初陣、レーティングゲーム、英雄派で6回死にかけて、1回ヴァーリに殺されてるな」

「時系列順に並んでいるとして誤射の前にクマと遭遇してるのかよ」

「違う違う、クマと殺し合いだ。最終的にオレが押し負けて寝床を奪われる結果になった」

「なんでそんな斜め上の答えが返ってくるかなぁ」

「知るか。オレが聞きたいわ。ここぞというときに関してハズレをよく引いている気がするがな」

「話を戻すぞ。とりあえず、気をつけておくのは旧魔王派でいいな」

「そうだな。一応、他にも目をつけておいたほうがいいが優先度は下げてもいいだろう」

「ならオレたちは明日から拠点という拠点を潰して回る」

「そっちは任せた。オレはオーフィスの面倒だな」

「元士郎、お前はオーフィスに何を見た」

「何、というよりはオーフィスに似たような奴を何人か見たことがある」

「似たような奴?」

「たまにな、見るんだよ。生きるってことを知らない奴が」

「生きることを知らない?」

「世界が親だけで完結していて、その親を失った子供だ。心が死んでただそこに生きているだけの存在って奴がな。オーフィスの場合は、本当に知らないんだろうな。ただそこに居ただけ。だから強大な力があるのに何を考えているのかが周りの奴らが分からない。なにせ、考えてなんかないんだからな。何も知らないからその状態を維持しようと、住んでいた次元の狭間に戻ろうとしていて、それ以外のことを考えていない。何も知らないから。成長過程ってものがオーフィスにはないんだよ」

「それは」

「今日1日で、オーフィスは大分変わった。傍に似たような境遇のレオが居る。自分と比較することでその成長は促進される。あとは、力加減と善悪さえはっきりと教え込んでやれば、ひとりぼっちの龍神はいなくなる。少なくともオレたちが付いていてやれる」

「......そうだな。お前の言う通りだな」

「な〜んにも考えてないんじゃなくて考えられなかったとは。俺っち達も気づかなかったな」


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