暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
戦場戦塵を往く
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いたし、そこでこのような孤独を感じることはなかった。自分の隣には大抵いつもユウキやカグラ、そして何よりマイがいた。現実世界でもアパート暮らしということも相まって、一人でいる気はそんなにしなかった。

だが、ここは違う。

いるだけで寒々しい孤独が、孤立が心の奥底を掻き毟っていく。

―――ッ。……狂怒、狂楽。

堪らなくなったように、堪えられなくなったように、少年は音なき声で呼びかける。

言葉の連なりは壁に当たって虚しく反響し、木霊のように乱反射した。

応えはない。

答えはない。

少年の声は宙空に弱々しく減退し、消えていっただけだ。

だが、それでも。

確かな返答を、レンは聴いた。

二つの鬼は、こう切り出す。

―――さようなら。










小さな体躯が受け身の体勢も何もなしに宙に放り出されるのを見、ユウキはぞっとするほどの恐怖に襲われた。

確かに、レンホウのアバターは敏捷値特化仕様で、それゆえに高所落下ダメージ軽減は自分の比にならない。極論、頭から落ちても大したダメージは負わないのかもしれない。

だが、少女が危惧したのはそれとは別種のものだ。

―――何で……目を逸らすッ!!?

戦闘時、敵の一挙一動から目を離すことなど、あってはならないことだ。それは例えば、野球のバッターがピッチャーから今まさに投げられる白球から明後日の方向に視線を泳がすと同義である。

つまり。

何かあった。それも、かなりマズい方向に。

思わずマークUの巨体から目を逸らすほどの――――否、合わせられなくなるほどの。

爆発の規模も、たった今必死に逸らしていた主砲のビームほどではないが、かなりのものだった。マークUの装甲に一切の傷をつけていないことからタカをくくっていたが、それは至近で受けていいという意味ではない。

「ッ!!」

ノドが干上がる。

全身が強張る。

―――やだ。

嫌だ。

―――やだやだやだやだやだやだッ!!

自由落下する従弟を受け止めようと、脚に力がこもる。

だが、跳躍しようとした少女の動きは錆ついたように止まった。

「なっ!?」

ガクン、と。

膝がその意思を拒絶し、一気に力が抜ける。

―――そ……んなッ!?

ユウキの神装《絶世(デュランダル)》の特性は絶対剛性だ。その外殻強度はレンのグングニルをも遥かに凌ぎ、たとえ相手が超威力の極太レーザーだろうと強引に跳ね返すほどの硬度を持っている。

それは言い換えれば、顕現時間が長いということに直結する。

もともと神装の上限というのは、内包する心意エネルギーに耐えきれなくなった外殻が弾ける時のことをいう。そういう意味で
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