暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
戦場戦塵を往く
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るユウキでは戦線を支えられなくなる。

ギリ、と奥歯が砕けるほどに噛みしめられる。

《冥王》と《絶剣》

第三席と第六席。

その実力差ゆえに離された数字の上で、強者(じぶん)弱者(ユウキ)を守ることなど当たり前の義務――――などではなく。

もっと単純な話で、男が女を守るということは当たり前の責務――――でもなく。

ちっぽけな少年は、ただ本能のままに咆哮する。

―――ンなこと知るかッ!!

「助けるのに理由がなくて何が悪いッッ!!」

そこで。

その輪郭を不気味に歪ませていた神装《穿孔(グングニル)》の外殻が、とうとう臨界を迎えた。

シャボン玉のように、風船のように、段階的ではなく一気呵成的に破裂した殻は、その内包していた心意エネルギー全てを無作為に開放した。

結果。

ゴッッ!!!

単純な質量の衝突では起きない轟音が衝撃波を伴って宙空を薙ぎ払った。

その余波の、さらに端っこの切れ端のようなものが赤茶けた岩盤を削り、滑空砲もかくやというスピードで散らす。

圧倒的なエネルギーの本流を間近で受けて、しかしマークUの巨体は巌のように小動ともしない。白い装甲にはヒビ割れ一つ、それどころか焦げ目一つついていなかった。

対して、投げ出された小柄な身体が受けたダメージは想像を絶するものがある。

もともと蓄積し、動きが鈍っていたところを、受け身を取らせる猶予さえない至近距離で心意が爆発したのだ。

四肢がきちんと残っているのがほとんど奇跡のようなものだ。。

白煙をたなびかせながら宙空に放られたアバターに、地上でビームを逸らしていたユウキの絶叫が被さった。

「レンッ!」

だが、その声すらも分厚い油膜がかかっているようにくぐもって聞こえる。

上下左右、天地の区別がつかなくなる。

―――マズ……ッ。

その瞬間。

少年の意識は走馬灯のように現れた《部屋》に引きずり込まれた。










黒。

ビロードのように艶やかな、しかし炭のように光を逃さない黒が、あった。

四方の、上下の壁全てが真っ黒に塗りたくられた部屋。

レンはそこにいた。

見慣れた部屋。

いつも《鬼》達と会話する、唯一の場所。

いつもはソファーやグランドピアノのような調度品があるのだが、今回はその全てがない。真っ黒な立方体の内側に閉じ込められたような、そんな無機質さと閉塞感が伝わってくる。

そして、今そこにいるのも少年ただ一人だけだった。

狂怒も、狂楽もいない。

無。

その一文字が脳裏に浸透するまで、若干の時間を要した。

それも当然か。つい一昨日までは、このアバターIDはALOに所属して
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