第3章 リーザス陥落
第76話 ホッホ峡の決戦X
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のかもしれない、と思ったのだ。
「し、仕様がないですね。なら、早くなさい。今なら、ライトアップ。スキャンもイージーでしょうから」
サファイアは、そう言った。トパーズは相変わらずだったが、この破壊魔法があれば、あっという間を疑ってなかった様だ。
……ひどい目に合わされた、と言うガーネットも、何処かでは絶対大丈夫と思っていたのだろう。
だが、それは違った。
「……かかったな」
丘の上の光が消えた……かと思えば、また 光を放ちだした。こちら側を見る事が出来たのだろう。……そして、魔法発動の独特な感覚。何度も魔法で狙われた事もあるユーリだから。……中でもハンティと対峙した時の経験が一番生きている事だろう。
その魔法独特の殺気の様なモノ。弾道の線が見える。感じるのだ。
先程から、狙っていたのはチューリップだったのだろう。だが、その殺気は、今自分自身に向けられている。
「……ゆ、ユーリさんっ!」
マリアは、慌てて駆け寄ろうとしたが、志津香に止められた。
「し、志津香!?」
「ゆぅ、なら。……大丈夫、マリアは チューリップを可能な限り、直してみて。出来る範囲でいいから。ゆぅの、頑張りを、無駄にしないで……っ」
そう言い、そして歯噛みをしているのは志津香だった。
あの遠距離からの魔法。そしてその速度。自身の魔法を当てて、相殺しようにも、タイミングがまだ掴めない。そして、撃てる最強の魔法は白色破壊光線だ。それでは、あの魔法にはまだ威力不足。……相殺など出来る筈も無い。
『……信じろ』
ユーリは、ただそう一言だけを言って、抜刀の構えを取った。
煉獄を刃に込め、そして最速の剣技を繰り出す為に。
『ぶっ飛べ!! この馬鹿ァァァ!!!!!』
確かに、そう聞こえた気がした。
あの時の使徒。そんな感じもした。
そして、漆黒の空を切り裂いて、再びより深い漆黒の魔力が放たれた。
迫り来る、黒色の波動。
『……ゆぅっ!』
志津香の叫びも、聞こえた気がした。
そして、その声も自分には力をくれている様な感じも。守るべき者が、者達が後ろにいるのだ。なら、力を存分に振るわなければならないだろう。
「煉獄・斬魔」
裂帛の気合と共に放たれた居合。そして、魔を絶つ刃。
その速度は、遠くから狙う黒色破壊光線を迎え撃つには十分すぎる速度だ。黒色の波動が身体を包み込んだ所で。
じゃりぃぃぃぃん!!! と言う 何と何が、衝突したのか、判らない。どう形容していいのか判らない様な大音響が、周囲に木霊していた。
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