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或る皇国将校の回想録
第四部五将家の戦争
第五十九話 その流れは伏龍の如く
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「包囲した軍は完全に叩き潰し、継戦能力を喪失しています、渡海した部隊も同様です。ここは南方の第18騎兵聯隊を敵の残存軍が集結しているクラハラに威力偵察に出し、主力は既存の方針の通り『ユミノ』まで集結するべきですが‥‥」

「うむ‥‥龍兵偵察と軽騎兵の偵察を密にせねばならぬか――飛龍が体調を崩していると聞いたが、無理をさせ時とみるか」

「はい司令官殿。それに加え、夜間も行軍を控え、警戒を密にするよう通達すべきです。敵の伏撃さえしのげば我々はこれ以上損失を追うことなく決戦に挑むことができます。
夜間行軍ができない点は痛いですが、ここまで来た以上は損害を避け、『コウリュウドウ』を突破することに注力すべきかと」
 アラノックは深いため息をついた。
「まったく、元帥方はアスローンの片手間程度に考えていらっしゃるようだが、骨の折れる仕事だぞ、これは」
 こうして新城直衛の策は想定以上の効果を上げることになった。だがそれと並行して皇都では数多の思惑が飛び交い、そして一つの策を様々な意図をもって編み上げられていたのである。

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