第1章:平穏にさよなら
第22話「負けられない」
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=かやのひめside=
司の術により、私と奴はどこか違う場所へと移動する。
「ちっ、俺を仲間から引き離す魂胆だったか...。」
「...まぁ、その通りだね。」
「だが、無意味だ。てめえらを倒してそのまま合流すれば済む話だからな。」
相変わらず腹の立つ下卑た笑みを浮かべながらそう言うクルーアル。
「...お生憎様、アンタはここで倒れてもらうわ。」
「....ほう?まさか、二人掛かりで倒せるとでも?」
「二人掛かり...ねぇ。」
唐突に矢を放ち、不意打ちをする。疾く、鋭い攻撃だったため、クルーアルの頬を掠めて飛んでいく。さすがに速さを求めた一撃だから、反応が遅れたみたいね。
「言ったはずよ。アンタなんか私一人で十分ってね。」
「てめぇ.....!」
「...かやのひめさん、後は任せたよ。」
一発触発になった私達を置いて、司は優輝の下へと戻る。
...これで心置きなく戦える。
「魔力の欠片も持ってねぇ癖に、俺を一人で倒すだぁ?調子に乗ってんじゃねぇぞおらぁ!!」
「調子に乗ってる...ねぇ....。」
クルーアルの言葉に、私は少し笑みが浮かぶ。
―――本当に調子に乗ってるのは、どっちかしらね?
「っ....!?」
「本来の私らしくない性格だけどね....。分霊の一端とは言え、草の神を舐めるんじゃないわよ!親友を目の前で殺した罪、この場で償いなさい!!」
優輝から供給されたおかげでだいぶ回復した霊力を開放する。
さすがに未知の力とは言え、雰囲気で察したみたいでクルーアルは怯む。
「“弓技・旋風の矢”!」
「ぐっ...!?」
怯んだ隙を逃さず、旋風を纏った矢を射る。クルーアルはそれを回避できず、障壁で防ぐが、込められた霊力の威力に顔を歪ませる。
「“戦技・強突”!」
さらに追撃として、強力な矢の一撃を放つ。
「なめんじゃ...ねぇ!!」
ギィイイン!
「(弾いてきた...!だけど、このくらい...。)」
しかし、その一撃は斧に弾かれ、無効化される。
「おらおらぁ!避けれるもんなら避けてみやがれ!」
「っ....!」
魔力による弾が私に襲い掛かってくる。
「“速鳥”!」
一枚の御札を取り出し、術を発動させる。
鳥のような形の光に包まれ、私は飛躍的に速度が速くなり、攻撃を全て躱す。
「お返しよ!“弓技・矢の雨”!!」
術式を込めた霊力の矢を上空に放ち、それが炸裂し、小さな矢が雨あられと降り注ぐ。
「しゃらくせぇ!」
「(威
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