第3章 リーザス陥落
第75話 ホッホ峡の決戦W
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入してきた様だ」
「ですね……。規模が先程までとは違う」
清十郎の言葉に、リックも冷静に返す。 だが、レイラは唖然としている。……勿論、臆したわけではない。ただ、呆れた、と言う理由があるのだ。
「他はガラ空きになってるでしょ? 無茶な配置、いや 馬鹿げた配置」
「しかし、利はあります」
「……ああ、この前線を止めるのが最重要だと悟ったんだろう。確かに、リックやレイラの様に将軍を討つ事が最も重要だ。上が討たれれば、必ず影響する」
「ですね。ここが正念場。リーザスが敗れる訳には行きません」
リック、そして清十郎とレイラも構えた。
「ったく、こんな馬鹿げた配置をさせた上司の顔、しっかりと拝まなきゃね」
奇策を仕掛けてくる、そしてその奇策を疑う事無く全力で迫ってくるヘルマン兵。信頼がなければできない事だろう。その顔を見てみたくなったのは、軍人としての性だった。
「スクラム組んで出迎えろ!! こっちも向こうも一点突破だ!! なら、槍と槍、その穂先、どちらが折れるかだ!」
正面衝突を望む兵達の数は夥しい、と言う言葉がよく似合う。視界の何処にも穴は無く兵士たちで埋まっているのだから。
「ふっ……」
「くく……」
しかし、武勇を誇り、兵を鼓舞を仕事の1つとする赤の将軍 リック・アディスン。
その異能の特異性により、1対多数の不利を物ともしない、いや 得意とさえする異国の地より降り立った強者 神無城 清十郎。
その2人の足を止めるには――。
「ッ! ラァァア―――――――ッ!!」
「ハァァァァァ―――――っ!!!!!」
数が圧倒的に足りなかった。
正面衝突。矛と矛の戦い。或いは矛と盾だったとしても、今回は矛盾は生まれない。
敗れたのは 圧倒的に数で勝る筈のヘルマン軍。
「FUUUUUUUUUUUUUUUUUUU○K!!!!!!」
ロバートの魂からの叫びが戦場に木霊した。
「FU○K! F○CK! F○○K! F○○○! ○○○○!!! 可愛い顔して、ふざけたことするじゃねぇか、ええ! 可愛い子ちゃんの死神、に鬼よ!!」
瞬く間に壊滅の一途を辿ったランドスター隊だったが、それでも 中隊長であるロバートを、リーザス側の将であるリック達の元へとたどり着けせたのは、彼らの執念だった。
「貴様がここの隊長か……」
「良かったな? あの男がここにいれば、即座にその首、飛んでるぞ」
リックと清十郎は、身構えつつ そう言う。
圧倒的有利になった今でも、決して油断の欠片が無い。故に隙もまるでない。だからこそ、もう勝目は無いであろう事はロバートにも判っていたが、撤退の二文字は彼には無かった。
「ハハハハハ!
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