決闘
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連れて行かれる俺に拒否権などなかった。
「ここならいいか」
と連れてこられたのはちょうどいい中庭で、簡単に言うと出会ったところと似たような場所だった。
「・・・本気でやんのか?」
と頭を掻きながら返事をする俺に対し、
「ああ本気と書いてマジだ」
と臨戦態勢に入るユリス。
「不撓の証たる赤蓮の名の下に、我ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトは汝枢木泰人への決闘を申請する!」
「・・・一言言わせてもらえるか、リースフェルト」
「・・・なんだ?」
雰囲気が変わったのを感じ取ったユリスはゆっくりと返答する。
「とりあえず返答するか。我、枢木泰人は汝ユリスの決闘申請を受諾する」
と申請を受け取ったのかカウントが始まる。
「俺の決闘とお前たちの決闘は決定的な違いがある」
「・・・?」
不思議に思うユリスをすっと見つめると、彼女は目を見開いた。
「・・・泰人、それは」
そしてカウントが始まると同時に俺は叫ぶ。
「それはな、命を捨てる覚悟があるかないかだ!」
俺は能力を解放、稲妻の如くユリスの側面まで入り右掌打を叩き込む。
「っぐ!っはあ!」
いくら星脈世代(ジェネステラ)と呼ばれるユリス達でも人より頑強なだけでは俺の攻撃を受け切ることはできなく、あっけなく吹き飛んだ。
「ゼァァァァァァ!」
吹き飛ばされて距離が空く瞬間に火球を数発放つが、この万華鏡写輪眼の能力<陽炎>の前には如何なる物理攻撃も届かない。と言っても攻撃が当たる部分を別空間に移動させるだけなので精神攻撃とかは避けきれないが。
ユリスは俺に当たったように見えたが火球の中から閃光のように出てきた俺に驚愕の顔を浮かべる。さして面白くもない俺は冷ややかな目でユリスを見つめる。
「・・・お前はいったいっ??」
ユリスの問いかけには応じず、俺は距離を一瞬で詰め、刀を呼び出しつつ居合。
「っあ」
あっけにとられた声を出すユリスだが俺が刀を鞘に収めると、
「ま、まて!」
と手に持つ細剣を放つが
「もう終わったよ」
と鞘のまま弾くと共に決着の合図が周囲に響き渡った。
そして別れる俺は帰り際に、
「じゃあなユリス、また明日」
と肩を叩き、後にした。
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