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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第211話 とある少女 憧れの人に会う為に
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だったのだが、それが本当によく判った。
そして、GGO。
あの世界も、純粋に楽しむ為に、プレイをし続けている。時にはスコードロンに入り、時にはソロで 地下世界に篭もり……。
そして、もう少しすれば大型アップデートが行われる。……その日が楽しみで仕方がない。何故なら、また……
一緒
(
・・
)
に、出来るから。戦えるから。
詩乃は、GGOが あの世界が好きだから 多分 これからも時間を赦す限り 戦い続けるだろう。シノンを強くする為にも。一緒に戦う事ができれば、何処まででもいける。きっと、あの荒廃した世界をも飛び越えて、何処へでも……。
「っ……んんっ」
詩乃は、たぶん 自分の頬が緩んでいるであろう事に気づいて、慌てて気付をした。
「ぁ……、綺堂さんに、ちゃんと返さないと。……このタッパーウェア」
ひょい、っと飛び起きると お土産として 持たしてくれた料理の事を思い出した。
緑色の蓋に、クリアな容器。その中には 色んな種類の料理が詰められている。1食分の量、と言えばそうだが やはり やや多いと思うのは 詩乃がこれまで少食気味だったから、と言えるだろう。1人暮らしをする為に、金銭にも気を使って そして 一汁一菜を基本とし続けてきたから。
――今日、詩乃と綺堂が出会ったのは、詩乃が買い物をしている際だ。
買い物籠に収められている食材の種類や数、そして 詩乃のやや 痩せ型である顔を見て、心配をかけてしまったのだろうか、今日の夕食に招待をされたのだ。その時は、色々と迷惑をかけた事もあり、申し訳ない気持ちが多かったから、断ろうとしたのだけど。
『……隼人坊ちゃんが、詩乃お嬢様の事を、とても心配されておりました。……お元気な姿を見せてあげてくれませんか? 詩乃お嬢様』
綺堂と話をする時、呼ばれる時は基本的に《お嬢様》と呼ばれる。……非常に照れくさいモノがあるのだが、今はそれ以上に隼人の名前を出された事が大きかった。
これまでの事に加えて、さらに心配を既にかけている身からすれば、これ以上は もう駄目だろう。少食を言い訳に、一応育ち盛りな時期に 食べないで 体調を整えられないのも。だから、ここは言葉に甘えた方が良いのではないか? と詩乃は結論をした。
……別にこれまでは普通で、そんなに体調を崩したりはしていなかったのだけど。もうそんな事は何も考えていない。
ただ……やはり 会っている間は、どうしても安らぎを感じてしまう。もう、自分の気持ちに嘘は付けないから。
それでも 玲奈の事を考えたら やはり複雑な想いも同じ位同居している。玲奈は 本当に良いコだから。優しくて 明るくて とても女の子っぽく可愛らしい。同性の詩乃から見ても。…
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