暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第211話 とある少女 憧れの人に会う為に
[2/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
んな事を知るよしも無い少女は、ただただ 待ち侘びていた。 あの世界へと降り立てる瞬間が何時来るのか、と。

 そして、GGOのロゴが目の前に控えめに現れたかと思えば、次はまるで機械の町とも思える場所の上空にいた。……その町こそが、グロッケンである事は直ぐに判った。……何度か降り立った事があるから。

 だけど、直ぐに初期設定空間へと移行する。



 《五感チェック》《ログインサーバー》《言語設定》《ログインIDやパスワード》……etc



 どのVRMMOでも、例外なく この画面には飛ぶ。もう見慣れたモノだったから、この部分は淀みない操作で行い終えた。

 GGOの世界のアバターは、ランダム仕様。勿論、性別だけは一番最初、ネットワークゲームをする為の設定から 入力している為、ゲームによって切り替えるなんて事は出来ないから当然 《女性(female)》だ。


 基本設定の全てを終えた後に、彼女の視界は再び黒く染まり……、そして 舞台へと降り立ったのだった。



















〜朝田家〜





 それは、夕食を終えて 家へと戻ってきた詩乃は、少しだらしないけれど、制服のスカートやブラウスを外すと、俯せにベッドへと倒れ込んだ。


――……今日も色々と合ったなぁ。


 詩乃は、俯せのまま、両の足を曲げて ぱたぱた、とベッドの上でバタつかせながら、考えていた。

 あの件の事件から約1ヶ月。そして 本当の意味で 自分を赦す事が出来てから、同じく約1ヶ月。

 詩乃は もう暫くはやるまい、と思っていたのだが《GGOの世界》でまだ戦いを続けていた。

 ただ、その絶対的な意味は 理由は違った。

 現実世界で強くなる為に、自分自身の精神を、魂を鍛える為に 自分よりも強い者を皆殺しにし、最強を証明する為に戦い続けてきたあの《シノン》は、もういない。

 いや、《いない》のではなく、《変わった》、だ。

 現実世界で 《詩乃》は 強くなる事が出来た。……自分を赦す事が出来るくらいにまで、強くなる事が。

 他の人から見れば、本当に小さな一歩かもしれない。……だけど、その一歩が踏み出せず、何年も何年も 精神と身体が蝕まれ続けたのだ。
 

 でも、変わる事が出来た。……あの温かい手のおかげで。


 その日を境に、自分自身は本当に変われたと思う。

 学校ででも、友達が増えた。……未だに 付きまとう連中もいるのだが、あの時同様に、しっかりと断る事ができ、自衛も出来る様になった。相手の目を見て しっかりと言葉を伝え、始まりと終わりの挨拶を交わす。……それだけで、人と人の繋がりは広がっていく。たった1ヶ月間
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ