暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第211話 とある少女 憧れの人に会う為に
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んな事を知るよしも無い少女は、ただただ 待ち侘びていた。 あの世界へと降り立てる瞬間が何時来るのか、と。
そして、GGOのロゴが目の前に控えめに現れたかと思えば、次はまるで機械の町とも思える場所の上空にいた。……その町こそが、グロッケンである事は直ぐに判った。……何度か降り立った事があるから。
だけど、直ぐに初期設定空間へと移行する。
《五感チェック》《ログインサーバー》《言語設定》《ログインIDやパスワード》……etc
どのVRMMOでも、例外なく この画面には飛ぶ。もう見慣れたモノだったから、この部分は淀みない操作で行い終えた。
GGOの世界のアバターは、ランダム仕様。勿論、性別だけは一番最初、ネットワークゲームをする為の設定から 入力している為、ゲームによって切り替えるなんて事は出来ないから当然 《
女性
(
female
)
》だ。
基本設定の全てを終えた後に、彼女の視界は再び黒く染まり……、そして 舞台へと降り立ったのだった。
〜朝田家〜
それは、夕食を終えて 家へと戻ってきた詩乃は、少しだらしないけれど、制服のスカートやブラウスを外すと、俯せにベッドへと倒れ込んだ。
――……今日も色々と合ったなぁ。
詩乃は、俯せのまま、両の足を曲げて ぱたぱた、とベッドの上でバタつかせながら、考えていた。
あの件の事件から約1ヶ月。そして 本当の意味で 自分を赦す事が出来てから、同じく約1ヶ月。
詩乃は もう暫くはやるまい、と思っていたのだが《GGOの世界》でまだ戦いを続けていた。
ただ、その絶対的な意味は 理由は違った。
現実世界で強くなる為に、自分自身の精神を、魂を鍛える為に 自分よりも強い者を皆殺しにし、最強を証明する為に戦い続けてきたあの《シノン》は、もういない。
いや、《いない》のではなく、《変わった》、だ。
現実世界で 《詩乃》は 強くなる事が出来た。……自分を赦す事が出来るくらいにまで、強くなる事が。
他の人から見れば、本当に小さな一歩かもしれない。……だけど、その一歩が踏み出せず、何年も何年も 精神と身体が蝕まれ続けたのだ。
でも、変わる事が出来た。……あの温かい手のおかげで。
その日を境に、自分自身は本当に変われたと思う。
学校ででも、友達が増えた。……未だに 付きまとう連中もいるのだが、あの時同様に、しっかりと断る事ができ、自衛も出来る様になった。相手の目を見て しっかりと言葉を伝え、始まりと終わりの挨拶を交わす。……それだけで、人と人の繋がりは広がっていく。たった1ヶ月間
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