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水の国の王は転生者
第四話 ヴァリエール公爵家
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ンを想う気持ちは大人にも負けません。今はまだ良い案はありませんがいつの日か必ずトリステイン中が驚くような妙案を・・・」

「おお!」

「ああ!」

なんだよ!? 人が喋ってる途中になにを。

「今のを聞いたか、マリアンヌ!」

「聞きましたわ、陛下!」

ま、まさか車内で寸劇をやるのか?

「始祖ブリミルよ私たちの子はこんなにも立派に育ってくれた!」

「このような過分なご加護をありがとうございます!」

いい加減にしてくれ・・・

「マリアンヌゥゥ!」

「陛下ァァ!」


・・・天井の白百合がピンク色に見えた。






国王一行は順調にスケジュールを半分消化しヴァリエール公爵領まであと二日の所まで近づいてる。途中、休憩を入れながらの長旅、やる事といえば景色を見る事と、両親との会話に参加すること、昼寝をすることぐらいだ、いい加減オレは暇を持て余す様になった。

「今日はグラモン伯爵領で一泊する予定になっている」

「はい、父上」

今日はどうやって暇をつぶすか、ワインを試してみようかとか、今度旅行するときは本を何冊かもって行こうなど、いろいろ思案していたところに一瞬、窓に黒く大きな影が横切った。

「ん?」

「どうしたの?」

母さんが何事かと聞いてくる。

「窓に一瞬、黒いものが見えたので」

「何だって?」

今度は父さんが聞き返す。

「見間違いじゃないのか?」

「黒い影のようなものが、窓を横切ったんだ」

「鳥か何かじゃないの?」

「鳥じゃないよ、かなり大きかったから」

「・・・ちょっと待っててくれ」

何やら思案した後、父さんは席を立つと御者に指示を出し次に小窓を開け馬車と併走していたグリフォン隊の隊長に停車を命じた。

『停ぇ〜車ぁ〜!』

隊長の命令で馬車とグリフォン隊は停止した。グリフォンから降りた隊長は駆け足で近づいてくる。

「陛下、いかがなさいました?」

「マクシミリアンが何か窓に黒いものを見たと言っている。グリフォン隊は馬車と周辺の捜索を命ずる」

「ははっ」

隊長は一礼すると各小隊に指示するために去っていった。

「私たちは捜索の邪魔にならないように外に出ていよう・・・念のため杖を手放さないように」

「はい」

「近くに原っぱがあるからそこで待ちましょう」

先に馬車から降り原っぱへ向かう母さんの後を追う、オレのすぐ後ろを警戒しながら父さんと護衛係のグリフォン隊隊員が着いてきた。

原っぱでは御者と白髪の執事が折り畳みイスを三つ用意し終わったところだった。

「座りながら捜索結果を待とうか」

「マクシミリアンも座ってていいのよ」


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