第三話 王太子と貴族
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の声が聞こえた。
「おはよう、マクシミリアン昨日は良く眠れたい?」
「おはようございます、父上いつも通りに眠れたと思います」
「そうか、父さんは初めての旅行の前日はぜんぜん眠れなかった覚えがあるぞ」
「そうなんですか」
「そろそろ母さんも来るころだ。いいかい? マクシミリアン、御婦人、つまりは女の子というものは大抵遅れてくるものだ。だから婚約者の娘が遅刻したりしてもあまり怒ってはいけないよ?」
いきなり何を言い出すかと思えば。
「分かりました、父上」
「うんうん」
「宮廷とベッドの上でも女の子には『やさしく』ですね?」
「う、いったいどこでそんな言葉を」
「たしか、ストーキン男爵が言ってました」
「む、そうか、マクシミリアン、その言葉は下品だ二度と使わないようにしなさい」
「はい、父上」
ちなみにストーキン男爵ってのはオレを頻繁にストーキングしていたヤツの事だ、もっとも男爵はそんな言葉は一言も言ってない。おかげでオレの心は久々に晴れ上がった。
「お待たせしました〜」
ようやく、母さんがやって来た。後から大きなカバンをいくつも持ったメイドや執事が手馴れた感じでついてくる。
「マクシミアン、母さんの荷物が積み終わったら出発するから、馬車に入ってなさい」
「はい、父上」
トテトテと、馬車に近づくと白髪の執事が子供用の足場を置いてくれた。
「どうぞ、殿下」
「ありがとう」
足場を使って車内へ入る。
内装は豪華なソファが二つ向かい合うようにして置いてあり、内壁や天井には王家の紋章である白百合か描かれていて、簡易のワインセラーも付いてる。
こんな豪華な旅が出来るなんて感動だ。最近ストーキングされて少し鬱ぎみだったけどやっぱり王家って半端ない。
窓から外を見ると父さんが魔法衛士隊の隊長らしき人になにやら指示した後、母さんを伴って車内に入ってきた。
「そろそろ出発だ」
御者側のソファに父さん、反対側のソファにオレと母さんが座る。
しばらくするとトランペットらしき金管楽器の演奏が王城中に響き渡る・・・あ、今、音程外した。
「外したな」
「外したわね」
両親も気づいたらしい。何気にこの一家、演技をはじめ芸術方面でチートだったりする。
「陛下、出発いたします」
「うむ」
白髪の執事が馬車のドアを閉めると御者席に飛び乗った、御者席には御者の人と執事の二人が座っている。
やがて馬車はゆっくりと進み始めた。
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