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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十六話 新星と遺物
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た。
言いながら彼が取り出した武器は、伸縮性の警棒である。鎮圧、制圧を主だった目的として使用される警棒だが、武器としてのその能力は決して低くない。剣ほどの重量もなく取り回しやすいため、熟達したものが使えば大抵の相手を制圧してのける、強力な武具だ。
「なんの!勝つのは俺です!!」
応じるように、少年も構えた。武器は無し、所謂ファイティングポーズと呼ばれる構えを取った彼の姿は、一目でその両の拳が武器であると分かるそれだ。
「[Bリング、スタンバイ、セット!!]」
不意に、アナウンスが響いた。しっかりと地に足を着けて相手を見つめる少年と青年の間で、空気が張り詰めていく……。
「[レディ――]」
「[――ゴー!!]」
「ふっ!」
飛び出しはほぼ同時だった。踏み込んだ先のわずかな間合いの差異、これを利用するように、下段から警棒が振り上げられる。突撃してくるシスイの次の瞬間の位置を予想したうえで彼の顔面をとらえに行く打ち込みだ。左の拳で逸らすようにそれをさばいたシスイが、即座に踏み込み右の拳をつきだす、が、伸び掛けた拳を、降りあがった青年の警棒が叩き落した。
「ッ!」
「はっ!」
振り下ろした警棒のグリップエンドが間髪入れずに跳ね上がり、シスイの喉を打とうと迫る。再び左の裏拳がそれを跳ね上げるようにして跳ねのけ、一度落ちた右拳が今度は振り上げるように青年の顔面に迫った。
「甘いっ!」
「な、い”っ……!!?」
が、その拳を、青年の目は完璧にとらえている。左腕でそれを捌くと同時に、振り下ろした警棒が、少年の太ももを打ちすえた。
ややしなりながら足に直撃するその一撃は、それだけで骨にまで響くような激痛を生み出す、そのうえ太ももの側部は、人体の急所の一つだ。クリーンヒットしたそれを見て、青年はさらにシスイの鳩尾に向けて再びグリップエンドの一撃で追撃する。
立て続けに急所を二発。ここからさらに、振りかざした警棒によって追撃を……
「ッ……!」
「!?」
唐突に、気が付く。
少年の身体が……揺らがない。
太ももと鳩尾、激痛や一時的な呼吸困難を起こしてもおかしくないその部位に連撃を食らったにもかかわらず、少年の身体はひるむどころか、揺らぐ様子すら見せない。それどころか……
「うっ……らぁ!!」
「ぐぁっ!!」
さらに距離を詰め、強烈な頭突きを一発お見舞いされた。視界に火花が散り、逆にこちらがたたらを踏むように数歩後退する。揺らぐ視界の向こう側で、少年が拳を引くのが見えた。
「だぁぁっ!!」
「っ、このっ!」
繰り出されようとする拳を迎撃しようと、青年は警棒を振りかざす。ほぼ同時に繰り出されたそれらが同時に激突する、瞬間──
「────!!」
「なッ……!」
少年が何かを叫びなが
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