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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十六話 新星と遺物
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部の方々には、強敵になるのでしょうね」
ほほえましそうに視線を向けられた当の本人はというと、ますます顔を真っ赤にしてリングのほうを指さした。

「そ、それよりほら!試合みましょう!試合!」
「あ、ごまかしてる」
「照れなくてもいいのに」
「もう!ヴィヴィオもリオも!!」
クスクスと笑って彼女を見る同級生に、コロナは珍しく腕をぐるぐると回してパ二クったように喚く。やや拗ねたように視線をリングに移すと……突然、目を止めた。

「……あれ?」
「どうした?」
「あ、いえその……あ、やっぱり!」
「?なんだ、知り合いが居たか?」
「はい!ヴィヴィオ、リオ、ほら、あそこ!!」
ライノの言葉に勢いよくうなづくと、コロナはそれまで朱くなっていた顔を一転、喜色に染めてリングの一か所を指差す。二人がつられてそこを見ると、そこにはちょうどヴィヴィオ達と同い年くらいだろう、少年がピョンピョンと跳ねる、黒短髪の少年が居る。

「あれって……クランベール君?」
「あ、ほんとだ!C組の子だよね?」
「うん、シスイ君も出場してたんだ!」
その正体に気が付いた三人娘が一斉に騒ぎ出す。

「お前らと同い年か?」
「はい、クラスは違いますけど、男の子たちのリーダーみたいな子なんです」
「おっ、ヘッドってやつかい?」
「お前は少し黙っていろ」
「あはは……ヘッド、とかではないと思いますけど、よく男の子たちで集まってヒーローごっこしてるよね〜」
「あ、やってるやってる!」
ヴィヴィオとリオがそれぞれ微笑ましそうに話すのを、ライノは苦笑しながら見る。と、コロナが一人、真っすぐにシスイと呼ばれた少年を見ているのに気が付いた。

「なんだよコロナ、やけに熱心だな?」
「えっ!?あ、いえその……シスイ君、家が近くなので、昔から知ってて。友達、なのかは分からないんですけど」
えへへ……と笑うコロナの目にはしかし、どこか嬉しそうな色がにじんでいる、男性陣は成程、と即座に納得したような顔をしたが、逆に女性人は、この表情から何かしらのことを察したようで、レイシアやディエチの目が、キラリと光った。

「まぁ、ではお話をしたことが?」
「え?あ、はい、シスイ君のおうち、パン屋さんで、よく行くんです」
「成程……幼馴染、だね」
「あまりお話はなさらないんですか?」
「うーん……」
少し悩むように考えたコロナは、思い出すような仕草をして苦笑する。

「シスイ君、いつも仲のいい男の子達と遊んでるので、あんまり」
「お話ししたいことがあるけど近寄りにくい、というわけですね?」
「はい……えっ!?い、いえその、えっと……」
「うふふ……」
なぜかやたら楽しそうにレイシアが笑う。まるで別の誰かを見ているようにほほえましそうなそんな様子を女性陣
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