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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十六話 新星と遺物
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「え?博士?」
リオが首をかしげてが聞くのと同時に、コロナが驚いたような声を上げた。
「え?もしかして……スフィー・アルフォンス博士!?」
「コロナは知ってるの?」
ディエチが聞くと、コロナはやや興奮したような、あるいは混乱したような様子でうなづく。
「15歳で飛び級して博士号資格を取ったっていう魔道物理学の若手ホープです!学術雑誌にもよく論文が掲載されてるんですよ!」
「そもそもお前なんでそんなもん読んでんの?」
当たり前のように言うコロナにライノが苦笑して返す。ヴィヴィオもリオも全くついていけていないあたり、これは完全に彼女の個人的な趣味からくる知識なのだろう。
「ほう、君は随分博識だな。本当に初等科なのか?」
「あ、いえ、えっと……私、ちょっとそっち方面の学問には興味があって……」
感心したように言うシュウに、コロナが恐縮した様子で顔を赤らめる。
「なあ、お前ら学術紙とか読んだことあるか?」
「えーっと……参考書程度かな……」
「……古文書って学術紙に入る?」
「技術関係の専門誌は少し嗜みますけれど……」
置いてきぼり気味の他四人がそんなことを言っている内に、件の“博士”がリングに上がり始める。
「あの、アルフォンス博士って強いんですか?」
「ん?おう、普通に強いぞ、都市本戦にも出てる」
あっけらかんと答えたライノにスルトが続いた。
「彼奴の魔法は面白れぇぞ、“実験結果”なんだとよ」
「えっ?」
「なんでも、元々は彼自身の研究テーマだったものを実地で試すために参加したそうだ、去年あたりからは使い方の幅が広くなってきていてな。対応が中々難しい」
「研究……」
参加する理由のそれぞれさを興味深く思いながら、メンバーはリングに視線を戻した。
────
「……うーん、何故か視線を感じるような……」
スフィー・アルフォンスは、そんな事を言って小さく頬を書いた。
「博士、どうかしましたか?」
「あ、いえ。大したことではありません、おそらく気のせいだと思いますから、ご心配なく」
「……?はぁ……」
セコンドとして付いて来て貰った助手の魔導師に心配そうな顔をさせてしまった為、軽くごまかして言葉を濁す。
「よぉ、随分と余裕だなぁ本戦出場者サマは」
「あぁ、申し訳ありません」
観客席に目を向けていると、対戦相手に苦言を呈されてしまった。確かに、今は目の前のことに集中するべき時間である。よそ見は相手にも失礼というものだ。
298のゼッケンを着た対戦相手は、身長250pを軽く超えるというやや人間離れした身長の……しかもガッチリと筋肉のついた大男だ、なんというか……
「なんというか、恵まれたお体ですね……の、割には去年までお見掛けしていなかったように思うのですが…
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