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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十六話 新星と遺物
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前か?」
「いや、俺つったら俺ですけど、どっちかっつーとこいつらが勝手に集まってきたんですよ」
「あはは……どうも、初めまして」
「……ん」
「申し訳ない、チームメンバーの集まりに。お邪魔しています」
「アンタがこいつらのコーチなのか?」
シュウが頭を下げる横でスルトが軽い調子で尋ねる、と、シュウに頭をどつかれた。

「いてっ」
「礼儀を少しは覚えろ貴様は……」
「はは……あぁ、一応そういうことになってる。ノーヴェ・ナカジマだよろしく頼む、んでこっちが……」
苦笑しながら片目を閉じて返したノーヴェは即座に隣に立ったクラナを指した。彼らが誰を目当てで来たのか、正しく理解しているのだ。

「……クラナ・ディリフス・タカマチです。初めまして……と、久しぶり?」
「え?」
「おっ」
スルトとセイルを交互に見てそんなことを言ったクラナに、当人たちが意外そうに声を上げた。

「あれ、会ったことあるっけ?」
「俺もこいつも記憶にゃねぇが……」
「……無いけど……大会は、同期だったから」
頬を掻きながらやや恥ずかし気にそんなことを言うクラナに、やや緊張した面持ちだった男子メンバーの表情が、一気に和らいだ。セイルがどこかしみじみとした様子で言う。

「そっか、嬉しいな……」
「?」
「あはは……前の大会の時は、ちゃんと向かい合う実力なんてなかったから、雲の上の存在みたいに見てて、さ。でも今は、ちゃんと胸を張って、君に自己紹介が出来る」
言いながら右手を差し出してきた真っすぐなセイルの眼差しに、クラナは少しだけ目を丸くしてから、心地よさそうに小さく微笑んで同じく右手を差し出す。

「セイル・エアハートです。よろしくね、クラナ」
「あぁ」
名前で呼ばれることも、気にならなかった。
しっかりと手を握り合い握手を交わすと、後ろからスルトが進み出る。

「んじゃ、俺もだな。スルト・カグツチだ。よろしく頼むぜ?」
「お願い、します」
互いに小さく笑いながら強めの握手をかわす、と後ろで様子を見ていたシュウが、コホンと一つ咳払い。

「ふむ、我々もいいか?」
「おう、もちろんだぜ委員長?」
「誰が委員長だ」
からかうように言ったスルトを一つにらむと、シュウはクラナの前に進み出る。

「シュウ・ランドルフィーネだ。会えてうれしい、白翼」
「こちらこそ、です」
やや長めの握手の後に、最後に気だるげな顔をした、エーデルが進み出た。

「……エーデル・シュタイン。よろしく」
のんびりと差し出した手を取って握手を交わす。と、その瞳が、他の面子よりやや真っすぐに自分を射抜いていることに気が付く。

「……(あぁ、なるほど)」
クラナは不意に納得したように表情を真剣なものに変えて、その瞳を真正面から受け止め
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